ワークマンが「春夏製品の売り上げランキング」を発表 人気を支えるニーズとは?(2/2 ページ)
コロナ禍でアパレル各社が苦境にあえぐ中、10期連続最高益を達成したワークマン。その人気を支えるのは「サマーパンツ」だという……
一般客層の拡大で「スラック」人気が高まる
春夏製品の売り上げ上位に入ったパンツ8製品のうち、7製品がアウトドア用に開発した「FieldCore」ブランドの製品となった。しかし、購入する客層は一般客ではなく、同社のメインターゲットであるプロ向けの製品を買い求める「作業客」が多い。
同社は「スポーツ用に開発したストレッチ機能や冷感機能が作業客のニーズに合致し、一般客よりも先に購入し始めた」と説明。最近では製品の特徴がSNSなどで拡散し、認知度が向上したことで一般客の比率が高まっているという。
売り上げランキング1位の「エアロストレッチ クライミングパンツ」(1900円)は、膝の曲げ伸ばしを楽にするため、伸縮率を130%とした。また吸汗速乾素材を使用したほか、UVカット機能などを採用。同社はこの商品を、売り上げ2位の「4D冷感アイスパンツ」(2900円)の1.6倍も売れている「看板製品」だと話す。
一般客の購入比率が増えたこともあって人気商品の傾向にも変化が出始めた。従来は膝付近にポケットを設置した「カーゴパンツ」の人気が高かったが、今回初めて「エアロストレッチ4WAYスラックス」(1900円)が7位となった。同社は「作業客向けの需要は飽和に近づいているため、今後は一般客向け商品がパンツの需要をけん引する」と分析する。
また、20年10月に出店した「#ワークマン女子」の人気も影響し、女性用製品の売り上げが前年比で7割増加。UVカットを施した「女性用クライミングパンツ」(1900円)が初めて売り上げ上位にランクインし6位となった。
同社のパンツ製品の標準価格は1900円となっているが、今期は「エアロストレッチデニムパンツ」(2500円)や「DIAMAGIC DIRECT クライミングパンツ」(2900円)といった「高機能」や「高グレード素材」を売りとする1900円以上の製品の人気も高まっているという。
売り上げ3位の「エアロストレッチデニムパンツ」は、製造時に使用する水約90%、電力約30%、薬剤約60%を削減した環境に配慮した製品。デニムパンツでありながらストレッチ素材を使用し、動きやすい点にこだわった。
5月10日の決算説明会で同社は、客層の拡大や顧客満足度の向上に向けて、アンバサダーとの製品開発を進め新機能・新カテゴリーに挑戦すると今後の製品開発の戦略を語った。ニーズに合った新しい製品が今後も誕生するのか、注目が集まる。
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