CEOインタビューから見る、コロナで急成長した企業のポストコロナ戦略:ZoomとPeloton(3/4 ページ)
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、事業を大きく成長させた企業がある。そうした企業はポストコロナ時代にどこへ向かおうとしているのか。ZoomなどCEOのインタビュー内容をひも解いたところ……。
「ジムの代替サービス」として人気
(2)Peloton
提供サービス:自宅用のフィットネスバイクおよびトレーニングプログラム配信
本社:米国ニューヨーク市
設立:2015年
最近の事業状況:Connected Fitness登録者数51万人(19年4Q)→ 同109万人(20年4Q)
Pelotonもまたwithコロナの恩恵を受けたサービスと言えるでしょう。コロナの影響でジム通いに大きな制約ができたため、多少値が張る(1台2000ドルを超える)プロダクトであるPeloton Bikeに対するユーザーの関心が高まり、この1年間で大きな成長を見せています。
withコロナ時代のPeloton Bike需要は、明らかに「ジムの代替サービス」としての位置付けでした。今後、新型コロナウイルス感染症のまん延が収束し、消費者がまたジム通いを再開した場合、足元の急速な成長にブレーキがかかることが予想されます。
そこでポストコロナを見据えてPelotonが取り組んでいるのが、事業領域の拡張です。20年12月にはジム向けの本格的なトレーニングマシン製造大手であるPrecor(プリコー)の買収を発表しました。
また、これまではトレーニングに対して本格的に自己投資をするコアなユーザーが満足する高い付加価値を提供することで成長してきましたが、ユーザーターゲットをライトユーザーにも拡大する動きを見せています。高価なバイクを購入しなくても、スマートフォンやタブレット端末があれば一部のトレーニングプログラムを利用できる「デジタル・サブスクリプション」を20年に開始し、将来的なコアユーザーの卵を気軽で安価なサブスクモデルで育成する戦略です。
Peloton CEOのJohn Foley(ジョン・フォーリー)氏は、withコロナ時代に得られた多額の利益を、ポストコロナを見据えた投資に全方位で展開していくことを明言しています。
We invest in manufacturing, we’re investing in new content, new markets, new products. “Growth is in our DNA. And we can commit to it for years and years for sure.
(PelotonのDNAには成長が刻まれており、ハードウェアの製造も、トレーニングプログラム制作も、新しい市場も、新しいプロダクトも、すべてに投資を進めている)
※米国CNBCインタビュー、YouTube上に2021年2月6日公開。
The total addressable market as we see it as close to 200 million gym goers around the world. We have just under 2 million subscribers, so we could grow a hundred x.
(世界中にジム通いをする人は2億人も存在するが、現時点でPelotonのトレーニングプログラムを定期購読する人は200万人にとどまっている。Pelotonにはこれから100倍の成長余地がある)
※米国Bloomberg Technologyインタビュー、YouTube上に2021年3月18日公開。
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