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パナソニック“次の100年”のキーパーソン、Shiftall 岩佐CEOに聞く(前編)家電メーカー進化論(5/8 ページ)

パナソニックを2008年に退社して、Cerevoを起業した岩佐琢磨氏。しかし18年設立の子会社Shiftallは、全株式をパナソニックへ売却し100%子会社となった。パナソニック内部へ戻った目的、現在の役割に加え、家電メーカーが生き残っていくために必要な取り組みなどについて、前後編にてお届けする。

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勝つための重要なカギは、持っている“ピース”の数

 しかしここで、最も重要なポイントは、たとえ無名のメーカーやスタートアップであっても、勝者総取りができることだ。

 「一時期大人気になったクラブハウスも無名だった。立ち上げたのはグーグルでもラジオ局でもないが、結果的には、全くWebサービスに興味のない女子高校生までもが注目してやり始めた。そのブームの結果、『ブランドの力が失墜した』などと新聞には書かれたが、それは確かだろう。

 しかしこのブランドの失墜は、大手企業がミスをしたのではなく、インターネット革命で消費者が賢くなり、大手メーカーのブランドが付いていれば売れる時代ではなくなったことを表している。GoProもそうだし、ロボット掃除機などもそう。ルンバとかソニーとかパナソニックとかというブランドではなく、『勝手に掃除してくれるから便利でいいね』ということが大切で、製品がノーブランドでも、海外製でも、的確な顧客体験を提供してくれる製品なら、ブランド名を気にしなくなってきている」(岩佐氏)

 以前は販売店が近くにあったり、サービスセンターで手厚いサポートを得られる国内メーカーが安心という価値観があった。いまだに根強く残っているのも確かだ。しかし最近では故障の連絡をすると、宅急便で送れるサイズの製品なら、荷物の引き取りが来て工場などへ持ち込まれ、修理後の製品が返送されてくるという流れは国内メーカーでも海外メーカーでも同じだ。

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