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パナソニック“次の100年”のキーパーソン、Shiftall 岩佐CEOに聞く(前編)家電メーカー進化論(6/8 ページ)

パナソニックを2008年に退社して、Cerevoを起業した岩佐琢磨氏。しかし18年設立の子会社Shiftallは、全株式をパナソニックへ売却し100%子会社となった。パナソニック内部へ戻った目的、現在の役割に加え、家電メーカーが生き残っていくために必要な取り組みなどについて、前後編にてお届けする。

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 韓国や中国の巨大メーカーの脅威にさらされてきた日本の大手メーカーだが、市場には圧倒的なスピード感のあるスタートアップまで加わってきており、さらには築き上げたブランド力まで失おうとしている。

 「そうなると旧態依然としたメーカーでは厳しい。私はパナソニックしか知らないが、私が見聞きしたところでは、他メーカーも同様の問題を認識しており、状況に対処するために組織や従業員のモチベーション、マインドの変革を5年、10年かけて行っている。

 中には、残念ながらまだブランドが強いと思っている人たちもいるが、確かにブランドが力を持つ領域も残っている。しかしあらゆる領域で変革が起きている今、そしてそれが加速するであろう今後も、我々メーカーは新しいものを作って売っていかなければならない」(岩佐氏)

 500を超えるグループ会社に約26万人もの従業員を抱え、優秀な人材が今まさに新たな事業を作り上げようとしているパナソニックだが、新規事業を立ち上げる上で最も強みになるのが、元々持っている領域が広いことだと岩佐氏は語る。

 「黒物専業メーカーとは違い、例えば炊飯器のように水を扱う製品や、本体内にAC(交流)100ボルトを通電させる製品、業務用では200ボルトを通電させる製品まで数多く作っている。

 パナソニックの強さは、非常に幅広く製品を持っていること。そこには開発者がいて、その品質に責任を持てる人がいて、それを作れる工場もある。新規事業はレゴブロックのようなもので、手元にどれだけ多くの種類のブロックがあるかが重要になる」(岩佐氏)

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