日本が誇る「トイレ」は人類を救う、本当か:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
海外に行くと「日本のトイレは清潔だなあ」と感じる人も多いかもしれないが、今後もトイレはどんどん「進化」しそうである。どんな製品が登場しそうかというと……。
一歩も二歩も先を行く
さらに、今後も進化を期待できるのではないか、といった報道があった。
21年1月、オンラインで開催された世界最大級の技術見本市「CES 2021」。そこで日本を代表するトイレメーカーのTOTOが、「ウェルネストイレ」のコンセプトを発表した。ウェルネストイレとは、シンプルで清潔で美しいトイレのことで、座るだけでさまざまな健康状態をチェックできる機能が搭載されている。現在、そんなトイレをTOTOが開発しているという。
同社のサイトでは「TOTOがめざしているウェルネストイレは、いつものように座って用を足すだけで、体の状態をスキャンし、健康に関するリコメンドを返してくれます。健康チェックのために特別な動作をしたり、身に付けたりする必要がなく、ただトイレを使うだけで、スマートフォンのアプリにリコメンドが届きます」と説明されている。
便座に座るだけで、皮膚から血流データを取れたり、排泄物の臭気によって健康データを解析できたり、尿からも健康状態を知ることができたり――。まだ完成していないので、なんとも言えない部分があるが、毎日トイレで健康診断を管理できるとなれば夢のような話ではないか。冒頭の英紙で報じられたスマートトイレと比べても、一歩も二歩も先を行っている。
TOTOは健康管理ができるトイレの開発に乗り出したわけだが、実は今回が初めてではない。1990年に「トイレでできる健康管理」を目指して、研究開発を始めていたのである。05年〜08年には個人住宅向けに、尿糖値、血圧、体脂肪、体重を測定できる「インテリジェンストイレ」「インテリジェンストイレII」を発表した。
そのインテリジェンストイレを使えば、2週間または6週間サイクルで測定データを集めることができ、備え付けのパネルでも確認できる。女性の場合には、次回の月経予定も表示する。
また採尿部が光るようになっており、そこに排尿するだけで瞬時に尿酸値や尿温度測定などができ、習慣化できる。さらに床には体重計が設置されており、体重や体脂肪を測定することも可能。その上、血圧を手首で測定できるワイヤレスの測定器も搭載されている。
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