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パナソニックの“スピード開発”を後押し、Shiftall 岩佐CEOに聞く(後編)家電メーカー進化論(3/8 ページ)

岩佐琢磨氏は、新卒入社したパナソニックを2008年に退社し、Cerevoを起業。その後設立したShiftallは、全株式をパナソニックへ売却し100%子会社となる。後編では、現在パナソニックで担っている役割、家電メーカーが生き残るために必要な取り組みなどについて、Shiftall 岩佐CEOに話を聞いた。

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 前例がないからできない……という発言は“お利口さん”過ぎるようにも思えるが、誰も実施していないことは、誰の許可を得れば実現できるかが分からないため、頓挫しやすいという。

 「確かに、経理も商品企画もやったことがないから、分からないのは事実。しかし、このように簡単に断れてしまうことは、大企業病の一症状でもある。『検討したけど難しい、できない』と答えるだけで、1つの仕事をしたことになってしまう。そこを変えなければならない」(岩佐氏)

 前例がないなら自分で作ればいい。そうして実現したのが同社初の製品開発クラウドファンディングだった。

 「パナソニックに戻った時、自分自身で判断して行動してもよい立場を、私は自分で作った。といっても、前にいたときとは私の立場が違うのもあるが、社内の誰にも相談しないわけではない。私がパナソニックの良いところと思っているのは、そういうやんちゃなことをやっても暖かく見守ってくれるところにある」(岩佐氏)

 実際に岩佐氏がクラウドファンディングを実施した後、社内でいろいろな人がクラウドファンディングを検討していると聞くようになったと岩佐氏は語る。

 「私は今、先行隊となって新しいチャレンジをし、『やっていいんだよ』という文化を創ることをやっている。そのため私は、『やったことないことは全部俺たちがやる。フィールドは区切らず、何でもやるよ』とパナソニックの経営幹部に言っている」(岩佐氏)

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