救世主は「ハンバーガー」!? 松屋、鳥貴族、ロイホが続々と参入するワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
外食大手が続々と「ハンバーガー」に参入している。コロナ禍で生き抜くために各社知恵を絞る。その背景とは?
非接触のオペレーションを徹底
ブルースターバーガーは、焼き肉のファストフード「焼肉ライク」の提案で名を上げた、ダイニングイノベーションの新業態。テークアウト専門で、キャッシュレス決済が特徴だ。
ブルースターバーガージャパンという会社を設立して、20年11月10日、東京・中目黒に1号店をオープン。フードテックを活用して、高品質で低価格を実現した内容が反響を呼び、16坪の店舗面積で月商800万〜850万円の売り上げを誇る。今後はFC(フランチャイズ)で、店舗をスピーディーに広げ、国内2000店の出店を目指す。
同店では、コロナ禍に対応した非接触のオペレーションを徹底。注文から会計まで、店内のタブレットやモバイルオーダーの専用アプリで完結。並ぶことなく、商品のピックアップが可能だ。決済は、各種のクレジットカードや電子マネーなどに対応する。
人件費の削減も可能となり、良質な原料を仕入れても利益が出せるようになった。メニューはなるべく簡素化。売り切りの販売とし、材料が切れたら早目に閉店する日もある。一般的な外食の原価率が30%前後なのに対して、原価率68%を実現する商品もある。
品質のこだわりとして、パティは冷凍していない牛肉を100%使用。注文を受けてから店内で焼き上げる。レモネードのレモンには瀬戸内レモン、コーヒーはオーガニックの豆を使う。
メニューは、「Jr.バーガー」(187円)、「 Jr.チーズバーガー」(205円)、「ブルースターチーズバーガー」(421円)、「2×2ブルースターチーズバーガー」(583円)など。
「フライドポテト」(313円)と、「レモネード」や「コーヒー」(いずれも162円)とのセットも提供する。セット価格は「2×2ブルースターチーズバーガーセット」で799円となり、216円が加算される。
西山知義会長は、中国の深センで「ラッキンコーヒー」を訪れた際、これからのファストフードはキャッシュレスでテークアウトが主流になると確信。一方で、米国の西部や西南部で300店ほど展開する「イン・アンド・アウト バーガー」がメニューを絞り、生のパティをお店で焼くなど新鮮な食材を使いながらも低価格を実現して、人気を博しているのを見て、プチグルメバーガーのヒントを得たという。
焼き肉のファストフードを開拓した焼肉ライクに続き、ブルースターバーガーでプチグルメバーガーを確立できるか、注目される。ちなみに、同社ではチキンバーガーの事業化も検討中だ。
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