三菱地所グループのロイヤルパークアンドリゾーツ(東京都千代田区、以下、ロイヤルパークホテルズ)は6月6日、京都の世界遺産・二条城近くに「ザ ロイヤルパーク キャンバス 京都二条」を開業する。同時に30泊6万円(税別)の長期滞在プランを提供することを明らかに。テレワークに従事するビジネスパーソンの利用を見込む。
「ザ ロイヤルパーク キャンバス」は、ロイヤルパークホテルズの宿泊主体型ホテルブランドとして2017年に誕生した。ミレニアル世代をターゲットとし、現在は東京・銀座や名古屋市など全国4カ所で展開。10月には北海道・札幌市で開業を予定している。
長期滞在プランはツインタイプの客室(22.1平方メートル)限定としたものの、75席のラウンジを宿泊者向けに開放する。ラウンジにはWi-Fiとほぼ全席にコンセントを完備し、無料でコーヒー、有料で食事やドリンクも提供する。
長期滞在プランとしては業界内でも低価格に設定した。同社のマーケティング担当者は「当社の他のホテルに泊まっているお客様を見ると、長期にわたって連泊しているケースが多く、長期滞在のニーズがあるのではないかと以前から感じていた。9月末までの期間限定だが、価格面で他社と差別化を図り、利用者数の拡大を狙いたい」と説明する。
コロナ禍で宿泊客が激減し、多くのホテルが影響を受けている。そこで各社は長期滞在に商機を見いだし、さまざまなプランを発売。東京都内ではホテルニューオータニや帝国ホテルなど高級ホテルが長期滞在プランを発表し、売り切れが続出している。大阪市のリーガロイヤルホテルは4月に30泊15万円から滞在できるプランを開始した。
北海道ではニセコ樺山の里「楽 水山」(倶知安町)などのホテルが同様のプランを打ち出しており、1月に福岡市で長期滞在可能な「アミスタホテル福岡」がオープン。
コロナ禍前には多くの観光客が訪れていた京都エリアにも、宿泊機能だけでなく、ワークスペースや図書館など、長期滞在可能な工夫を施したホテルが次々と開業している。今後の長期滞在プランは価格のみならず、他の観点でも他社との差別化を図っていくことが求められるだろう。
関連記事
- 「給与に不満」84%、希望のアップ額はいくら?
正社員の8割が月々の給与に不満。77%が3万以上の増額求む - 「外食に人を誘いにくい」 コロナ禍で“一人外食”が増加
ホットペッパー外食総研が一人外食の実態調査を発表した。コロナ禍で一人外食が増加傾向にあるという。 - バブルの名残 温泉街の「大型施設」が廃墟化 鬼怒川と草津の違いと「大江戸温泉物語」の戦略
コロナ禍がもたらす温泉街への影響は甚大だが、「温泉の魅力」として考えさせられるのが“街づくり”という点だ。筆者は「施設そのもので集客できる強い宿は例外的で、温泉地の魅力自体が集客を左右する」と指摘する。 - 販売初日に予約完売 帝国ホテル「サービスアパートメント」事業の開発責任者に狙いを聞いた
帝国ホテルがコロナ禍でのテレワーク需要を先取りして、客室を長期間貸し出す「サービスアパートメント」事業を発表した。販売初日で予約が満室になるなど、人気を博している。この事業に企画段階からかかわってきた小池崇裕企画部課長に、狙いと今後の展開をインタビューした。 - コワーキングスペースと宿泊施設を同時に検索し予約できるマッチングサービス登場
コワーキングスペースと宿泊施設を同時に検索・予約可能なマッチングサービス「Trabiz(以下、トラビズ)」がリリース。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.