コラム
94年の歴史に幕 なぜミズノの淀屋橋店に入ると「ワクワク」するのか:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
ミズノの淀屋橋店が94年の歴史に幕を閉じる。もともと本社があったそのビルは、どのような特徴があるのだろうか。ユニークなデザインのエレベーター室があったり、大食堂があったり。その構造は、まるで……。
ライスカレーが人気
次に「ご飯」の話である。ビルが完成した6年後に、「大食堂」がオープンする。8階建てのビルを構えたものの、当時のミズノはスペースを持て余していて、7階と8階は空きフロアーになっていた。「このままにしていてはもったいない、何らかの形で有効活用すべき」と考えたのではないだろうか。創業者の水野利八は、梅田にある阪急百貨店で営業していたレストランに注目する。その店のカレーライスが人気だったことから、従業員に「阪急百貨店に行って、勉強してこい」と指示したそうだ。
「レストランで修行を積んだのか。それとも、店で食べて味を研究したのか。その記録は残っていませんが、大食堂で『ライスカレー』を販売したところ、看板メニューの一つになりました」(梁川さん)
飲み物で人気を集めたのは「ホームランジョッキ」である。「ホームラン」という言葉が入っているので、サイズが大きいのかなあと思っていたら、そうではない。一般的な優勝カップには取っ手が2つ付いているが、それをイメージしてジョッキの取っ手を2つにしたのだ。仕事を終えたサラリーマンが大食堂に集まって、「大阪タイガース、また勝ったで!」(1946年〜60年、現在は阪神タイガース)などと叫びながら、ホームランジョッキでビールをグイグイ飲んでいたのではないだろうか。
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