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三菱の厳しすぎる現実 国内乗用車メーカー7社の決算(後編)池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ)

5月初旬に各社から発表された通期決算の結果を比較してみる本企画、前半ではトヨタ、日産、ホンダの3社を分析した。後編ではスズキ、マツダ、スバル、三菱を分析してみよう。

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 こうして並べると、できれば頑張って削るべきところが削れず、未来のために維持すべきところを削っている。しかもそれに手を付けざるをえないキャッシュフローの業況が背景にあるという具合だ。


アライアンスを軸にした電動化を「三菱自動車らしさ」と位置づけ、2021年度は黒字化を目指す(決算資料より)

 もう本当に書くのが嫌なのだが、仕事なので嘘は書けない。これらが示す状況はもう手遅れにしか見えない。普通なら潰れているはずだ。財閥系企業のスタンダードなんて皆目見当が付かないので、これでもまだ資金提供を受けられるのかもしれないが、普通に考えれば反攻作戦に出ようにもその資金が全くないし、売り上げも利益もマイナスなので、借りた金を返せる計算式が書けない。そして何よりももう戦うための武器の整理が進んでしまっている。

 ということで、21年3月度の各社決算発表の分析を終えたい。どの社も健闘して、未来が見えることを切に望む。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミュニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う他、YouTubeチャンネル「全部クルマのハナシ」を運営。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答も行っている。


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