レジ不要! 海外導入も狙うトライアル“新しいショッピングカート”の勝算は?:「シームレスな買い物」とは?(1/2 ページ)
トライアルグループ傘下のRetail AIが「スマートショッピングカート」の新モデルを発表した。日本のみならず、海外への導入も見据えて開発したというが、何が新しくなったのだろうか? また、他社との差別化ポイントは?
小売店の「レジ」の在り方が変わり始めている。
ショッピングカートに商品を入れる際に、その場でバーコードをスキャン。カートに付いた端末で購入商品の一覧を確認し、決済まで行う。専用のゲートを通過すると、レシートが出てきて購入完了。
これは、福岡県本社のスーパーマーケット「トライアル」に設置してある「スマートショッピングカート」を利用した買い物方法だ。このスマートショッピングカートに新モデルが登場した。トライアルグループ傘下で、開発を担うRetail AI(東京都港区)が6月7日、発表会を行った。
Retail AI代表取締役CEOの永田洋幸氏は、「日本のみならず、世界に向けたスマートショッピングカートの導入」を見据えて、新モデルを開発したと話す。国内での導入店舗を増やしながら、同時に海外への導入も進める予定だ。
何が新しいのか?
カートにタブレットを設置するのではなく、「始めからスマートカートとしてデザインして、使いやすさを追求しているところ」が旧来と最も違う点だと、開発チームを率いる田中晃弘氏(Retail AI執行役員COO)は話す。
タブレットの下部にバーコードスキャナーが付いているため、スキャンしたものを再び持ち上げる必要なく、そのまま下してかごに入れられる。かごの中には、持参したマイバッグを入れておくことができるため、会計が済んだらそのまま持ち上げて退店。「シームレスな買い物体験」となるように設計した。
スマートショッピングカートで買い物をする顧客の中には、スキャンを忘れる人や、意図的に万引きをする人もいる。新カートでは、そうした商品登録の漏れから発生する“ロス”を防ぐ機能も搭載した。収納部に付けたセンサーにより、スキャンしていない商品が置かれたことを検知した場合、タブレットにアラートを表示する。
田中氏は、「3〜4年前、米国でスマートフォンで決済できる“スキャンアンドゴー”形式のレジシステムを多くの小売店が導入した。しかし、現在継続を取りやめた店舗が多い理由は、ロスが増えたこと」だと解説。継続的に導入店舗を増やしていくために、ロス対策は必須であると話した。
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