ホテル業界復活のカギは「朝食」にあり? コロナ禍でヒルトンが進めた115項目の改善:連載・瀧澤信秋「ホテルの深層」(4/4 ページ)
ホテルにとって朝食はキモ。“朝食でホテルを選ぶ”人も多いだろう。人気の尺度という点で朝食の良しあしは注目されるポイントになっているのは事実だ。筆者はソーセージと焼き鮭に注目する。
朝食の改善で顧客満足度は上昇
全体として以前より会場がスッキリ感じられるのは、ゲストに見える(見せて良い)場所、見せるべきではない場所がはっきりと峻別(しゅんべつ)されているからだろう。
ホテルの運営統括部長である高橋尊治氏は「ホテルゲストコメントによると、朝食の顧客満足度は2020年10〜12月の38ポイントから21年1〜6月の54ポイントへと上昇していた。依然として厳しい稼働の中ではあるものの、他ホテルとの比較でも稼働率は堅調に推移している」と朝食・サービスの改善と業績について話す。
そういえば、スタッフのマスクも変わっていて驚いた。ヒルトンのロゴがあしらわれたマスクを着用している。これだけでホテル全体が引き締まって見えるのだから不思議なもの。これもまた、コロナ禍を逆手にとったブランディングといえるだろう。
著者プロフィール
瀧澤信秋 (たきざわ のぶあき/ホテル評論家 旅行作家)
一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。
日本を代表するホテル評論家として利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。評論対象は宿泊施設が提供するサービスという視座から、ラグジュアリーホテルからビジネスホテル、旅館、簡易宿所、レジャー(ラブ)ホテルなど多業態に渡る。テレビやラジオ、雑誌、新聞等メディアでの存在感も際立ち、膨大な宿泊経験という徹底した現場主義からの知見にポジティブ情報ばかりではなく、課題や問題点も指摘できる日本唯一のホテル評論家としてメディアからの信頼は厚い。
著書に「365日365ホテル」(マガジンハウス)、「最強のホテル100」(イースト・プレス)、「辛口評論家、星野リゾートへ泊まってみた」(光文社新書)などがある。
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