使い捨てプラの次は何か? 「紙製パッケージ」に冷たい視線を注ぐ背景:コロナ禍が関係(3/4 ページ)
「Pack4Good」というプロジェクトをご存じだろうか。カナダを拠点に活動している非営利環境保護団体「Canopy(キャノピー)」が立ち上げたプロジェクトで……。
世界最大規模の企業が加わった
Canopyによると、次世代の代替え製品は、従来の紙製品を作る工程よりも平均して、水の使用量が90%以下で、エネルギーの使用量も70%以下に抑えることができるという。また、化学薬品の使用が少量だったり、環境に優しい化学薬品を使用していることから、環境保護に効果的だという。
このように「Pack4Good」のプロジェクトでは、具体的なソリューションを提案しているため、関心を寄せる企業が増えている。現在「Pack4Good」に参加している企業は、ファッションブランドやパーソナルケアブランド、電気通信会社や印刷会社など多岐に渡っている。
これらの企業は、22年末までに、パッケージを最小限にすること、絶滅の危機に瀕している原生林から調達された原材料を使用しないこと、農業廃棄物などを使用した次世代の紙素材や再生紙をなるべく使用することをコミットしている。
小さな取り組みから始まったプロジェクトだが、世界最大規模の企業が加わったことで大きな転換期になっている。
LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンだ。同社は、Dior(ディオール)、Givenchy(ジバンシー)、Stella McCartney(ステラ・マッカートニー)といったファッションブランドのほか、高級シャンパンのドン ペリニョンやブランデーのHennessy(ヘネシー)、高級腕時計のブルガリやタグホイヤーなど75ものブランドを傘下に置く世界最大のファッション企業だ。
21年1月には、Tiffany(ティファニー)の買収を完了させるなど、ファッション業界に置ける影響力はただならないものがある。550億ドルのビジネス規模を持つ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが「Pack4Good」に参加することで、サプライチェーンを本格的に変えることができそうだ。
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