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オリンピックで「人流」は増加するのか 見落とされている過去の“事実”:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)
合理性を欠く新型コロナウイルス感染症対策に耐え切れない飲食店が続出している。「緊急事態」と「まん防」はいつになったら終わるのか。筆者がそろそろ「正常化に向けた準備を始める時期」と考える理由は?
飲食店は正常化に踏み出す準備を
飲食店の時短や酒類提供制限について、東京都健康福祉局では「お酒が感染を広げているという認識はなくて、人流と、大声を出して飛沫が飛ぶのを止めたい」とのこと。昼間は仕事があるが、夜は静かにしていてほしいそうだ。ところが、午後8時に一部の反逆者以外の店が一斉に閉まるから、帰宅時の列車の混雑具合は半端ない。一度、JR中央線の通勤快速に乗ったら分かる。あそこまで顔と顔が近いと、さすがに感染リスクが高くなるのではないか。
オリンピックのため、海外から来日した選手が、2回のワクチン接種を行ったにもかかわらずPCR検査で陽性になり、問題になっている。ワクチンも完璧でなく、5%くらいの感染リスクは残るのだ。これで、ワクチン否定の風潮となれば、全世界の希望者がワクチンを打ち終わっても、日本だけ緊急事態やまん防を続けている状況になりかねない。
もうそろそろ、日本もワクチン接種が進んだ国々並みの、飲食店正常化、消費経済正常化に踏み出す準備に入ってほしいものだ。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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