オフィスに「居ながら改装」で業務への影響を最小化 “創造性を生む場”をどう作ったのか:ボッシュ渋谷の事例から(3/4 ページ)
仮オフィスに引越しすることなく、1、2フロアずつ工事を進めていく「居ながら改装」。居ながら改装を行ったボッシュは、渋谷オフィスをどのように“創造性を生む場”として作り上げていったのか。
多様なコミュニケーションを生み出す交流スペース
ビルの中間部に位置する10階には、コミュニケーションフロア「The NEST」を設けた。「IoTree」のなかで皆が集まる場所となる「NEST(巣)」を具現化したフロアである。
The NESTは仕切りがないワンフロアのレイアウトであり、10〜12階の3階を貫く吹き抜けをもつ大空間となっている。
会話の場や体を動かせる場、リラックスのためのサロン、カフェなど、フロア内は大きく6つのエリアに分かれている。また、135年の歴史を誇るボッシュの歩みを振り返る製品や販促物などを展示したスペースもある。
渋谷施設管理部セクションマネージャー木村亜澄氏は、展示スペースを設けたねらいについて、こう語る。
「ボッシュがどんな会社なのかを、The NESTを訪れる社員に知ってもらい、会社への理解を深めてロイヤリティー醸成につなげたいというねらいが、まずあります。また、社長をはじめ、経営層もThe NESTを利用するため、本社の社員だけでなく、他の拠点の社員も出張の際などにここを訪れてもらうと、ふだんコミュニケーションをとることがあまりない経営層と会うことができます。
そんな体験を通じて、今、会社がこういう風に動いているんだということを知ってもらいたいとも考えています。さらに、ここで受けた刺激を他のロケーションに持ち帰ってもらうこともねらいとしてあります。全国に点在している拠点を結び付ける、コミュニケーションハブといえる役割を果たしてくれることに期待しています」
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