イオン、売上高2兆円超で過去最高更新 22年3〜5月期、黒字転換:要因は?
イオンの2021年3〜5月連結業績は、売上高に相当する営業収益が2兆1532億円(前年同期比3.7%増)と、過去最高を更新した。
イオンが7月7日に発表した2022年2月期第1四半期(21年3〜5月)連結業績は、売上高に相当する営業収益が2兆1532億円(前年同期比3.7%増)と、過去最高を更新した。前年同期と比べて休業や営業短縮の影響が少なく、主力のGMS(総合スーパー)事業の業績が大きく回復した。ニューノーマルへの対応として、スマートフォンを活用した専用レジ「レジゴー」の導入や、ネットスーパーの拡充も進める。
営業利益は391億円(前年同期は125億円の赤字)、経常利益は過去最高の403億円(同160億円の赤字)。純利益は50億円(同539億円の赤字)と大幅増益で、第1四半期としては3期ぶりに黒字に転換した。
GMS事業は、営業収益7564億円(前年同期比7.1%増)、営業損益が72億円の赤字(前年同期は329億円の赤字)。売り上げ、テナント収入が回復し、赤字幅を減らした。
スマホを使い、かごに入れる前に商品をスキャン、専用レジで会計する「レジゴー」の導入も進める。店舗で専用端末を貸し出すだけでなく、客のスマホにアプリをダウンロードして使えるようにした。
ネットスーパーの売り上げは、前期比で16%増。ネットスーパー独自商品の予約販売を強化した他、生鮮商品を中心に品切れを削減するためのシステム改修、午前便の拡充や配送枠数の拡大などに取り組んだ。
その他、総合金融事業も増益に貢献。カードショッピングでは、イオングループをはじめとする食品スーパーやドラッグストアなどで売上高が好調だった。マックスバリュなどSM(スーパーマーケット)事業は、食品需要があった前年同期と比べると減益だった。
22年2月期の連結業績予想は、営業収益が8兆6200億円(前期比0.2%増)、営業利益が2000億〜2200億円(同32.8〜46.1%増)、純利益が200億〜300億円を見込む。
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イオンのレジに革命が起きている。買い物客が貸し出し用のスマートフォンを使い、かごに入れる前に商品をスキャン、専用レジで会計する「レジゴー」だ。スキャンにかかる時間は約1秒。レジでは決済のみを行うため、レジ待ちの渋滞も起きづらい。常に商品の一覧と合計金額が確認でき、利用者にとっては買い過ぎの防止にもなるレジゴーの導入で、客単価が向上したという。その理由を聞いた。 - 約150台のAIカメラで何が分かるのか イオン初の本格スマートストアの全貌
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