約150台のAIカメラで何が分かるのか イオン初の本格スマートストアの全貌:イオンスタイル川口(1/2 ページ)
イオンリテールが運営する「イオンスタイル川口」は、デジタル技術を駆使した同社初の「本格的なスマートストア」と説明する。一体どのようになっているのか
イオンモールは5月24日、埼玉県川口市で開業を予定する「イオンモール川口」の内部を公開した。埼玉県内のまん延防止等重点措置が延長されることなどから5月28日のグランドオープンを延期。決定次第、案内するとしている。
イオンモール川口の核店舗として出店するのが、イオンリテールが運営する「イオンスタイル川口」。イオンリテールは同店を、デジタル技術を駆使した同社初の「本格的なスマートストア」だと説明する。同店は、イオンモール川口の1〜3階に出店。1階は食品、2階は暮らしの品と化粧品・医薬品、3階は衣料品とキッズ商品を展開する。
店内には合計で149台のAI(人工知能)カメラを設置。防犯対策だけではなく、接客対応者の検知や購買行動情報の蓄積、売り場・商品棚のシミュレーションなどに活用する。同社では昨年オープンした「イオンスタイル有明」(東京都江東区)で実証実験を進めてきた。イオンスタイル川口ではその検証結果を踏まえて本格的に展開していく。
AIカメラは、お客の店内動線や、売り場への立ち寄り時間、手を伸ばした商品棚などの情報を自動で集積。利用率の高いエリアや低いエリアを可視化する。実証実験を進めていたイオンスタイル有明では、このデータなどを元にサンドイッチの陳列位置を変更したところ、手に取られる量が4〜5倍増えたという。
また、衣料品や暮らしの品売り場では、AIがお客の行動を分析・学習し、接客を必要としているかどうかを自動で判断。従業員が持つスマートフォンに通知がいくシステムを導入する。
従業員が離れた売り場や壁越しで作業していてもお客の行動を把握でき、待たせることなく接客対応することが可能となる。同社は、AIカメラの導入を21年度中に約80店舗に拡大するとしている。
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