約150台のAIカメラで何が分かるのか イオン初の本格スマートストアの全貌:イオンスタイル川口(2/2 ページ)
イオンリテールが運営する「イオンスタイル川口」は、デジタル技術を駆使した同社初の「本格的なスマートストア」と説明する。一体どのようになっているのか
陳列棚ではその人に合わせた広告を表示
食品売り場の陳列棚には「シェルフサイネージ」を導入。シェルフサイネージでは、商品と連動した広告や商品情報を表示する他ほか、コンテンツ内の2次元バーコードを読み取ることで商品やレシピ紹介のサイトへ移動できる。
サイネージの上部にはカメラが設置されていて、陳列棚の前で立ち止まった、商品を手に取ったといった行動が蓄積される。またAIが年齢などを識別し、サイネージに表示する広告内容を自動で変更。より的確な訴求情報を表示できるとしている。コロナ禍で実演販売や試食など、直接の訴求が制限される中、お客にあった情報を訴求できる方法として活用が期待される。
総菜売り場では、適切な割引率を提示する「AIカカク」を導入する。AIがその店舗での販売実績や天候・客数などの環境条件を学習し、従業員が端末で商品のバーコードを読み取り陳列数を入力すると、割引が必要な商品か、どの程度の割引率が適切なのかを表示するシステムだ。
同社は、データに裏付けされた価格で販売することで、食品ロス削減の取り組みにもつながるほか、業務に関わる教育時間も軽減できると説明する。20年11月から先行導入を実施した店舗では、「コロッケ」や「天ぷら」などの総菜の割引率が、平均で2割強改善したという。
現在AIカカクは、関東や東海の約140店舗で導入していて、7月までに本州、四国の約350店舗で導入する。
また、貸し出し用スマホや専用アプリで商品をスキャンし、専用レジで支払いできる「レジゴー」やネットスーパーで注文した商品を車に乗ったまま受け取れる「ドライブピックアップ!」などのサービスも展開する。レジゴー専用の精算機は指を近づけるだけで操作ができる非接触仕様とし、従業員や端末との接触低減につなげる。
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