連載
EVの行く手に待ち受ける試練(前編):池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/5 ページ)
電動化を進めようとすると、極めて高いハードルとしてそびえ立つのがバッテリーの調達である。バッテリーの調達に関しては、大きく分けて問題が2つある。ひとつはバッテリー生産のひっ迫、もうひとつはバッテリー原材料となる鉱物、とくにレアメタルの絶対的不足である。
ここしばらく、自動車関連のニュースで最も多いのは、電動車用動力バッテリー工場の建設計画である。バッテリーの供給不足が深刻化し、もはや新規に工場を建設しないことには必要量が賄えなくなった結果である。発表に数量的具体性があるものだけをニュースから抜き出してみると、以下のようになっている。
メーカー系
日産
- 1500億円を投資して英国サンダーランド工場にEV用バッテリー工場(エンビジョン)を建設
- 茨城県に6GWhの工場を建設
GM
- 2400億円を投資して米国オハイオ州に30GWhの工場を建設
VW
- 欧州6都市に年産240GWhの工場を建設
ボルボ
- 17億円を投資して中国江西省カン州市に4.2GWhのバッテリー工場を建設
テスラ
- ドイツブランデンブルク州に当初100GWh、将来的に250GWhの工場を建設
サプライヤー系
CATL
- テスラ上海工場の近隣に年間80GWhのバッテリー工場を建設
- 2130億円を投資してドイツテューリンゲン州に14GWhの工場を建設
LG
- 1000億円を投資して米国テネシー州に140GWhのバッテリー工場を建設
SKイノベーション
- 段階的に8660億円を投資し、米国ジョージア州などにバッテリー工場を建設。第1段階としては60GWh。
ブリティッシュボルト
- 英国ノーサンバーラント州に30GWhのバッテリー工場を建設
オートモーティブ・セルズ・カンバニー
- 2600億円を投資してフランスシャラント県に24GWhのバッテリー工場を建設
フレイ
- ノルウェーヌールラン県に34GWhのバッテリー工場を建設
ファラシスエナジー
- ドイツザクセンアンハルト州に10GWhのバッテリー工場を建設
EVLOMO
- タイチョンブリ県に8GWhの工場を建設
SVOLT
- 2500億円を投資してドイツザールラント州に24GWhのバッテリー工場を建設
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