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定期代が上がる!? 鉄道の“変動運賃制度”が検討開始、利用者負担は:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/6 ページ)
鉄道で「変動運賃制度」の検討が開始された。そもそも、通勤通学定期券によるボリュームディスカウントは必要だったのか。鉄道会社の費用と収益のバランスが、コロナ禍による乗客減少で崩れてしまったいま、改めて考えてみたい。
鉄道事業者は大都市の通勤通学利用者に対して、定期券による大幅割引を実施している。「毎日乗ってくれる人は割り引きますよ。だから1カ月、3カ月、6カ月分の運賃を前払いしてくださいね」。
つまり「お得意様割引」である。週に1回のお客様よりも、週に5回のお客様を大切にしたい。週に1度の乗車で往復500円。週に5回なら2500円。それが4週間なら1万円。それだけ乗ってくれるお得意様なら、2割、いや4割引きで提供しましょう。
この、明治時代から続いていた考え方が、実は間違っていたのではないか。
たくさん乗ってくれるお客様に割引サービスを提供します。これはボリュームディスカウントである。缶ビール1本売るより、6本売ったほうが1本当たりの値段は安い。ソーセージもたいていのスーパーマーケットで2袋単位だ。
まとめて売れば、1回1個ずつ売るよりも販売管理コストが下がるからだ。レジ精算はまとめて行えるし、輸送などの単位もまとまって手間が減る。しかし鉄道は違う。お得意様が増えるほど、莫大な設備投資が必要になるからだ。
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