テレワーク疲れでオフィス回帰? 1週間で「出社なし」の割合、コロナ禍で最低に:日本生産性本部の調査
日本生産性本部が「第6回 働く人の意識調査」を発表。直近1週間の出勤日数が0日と答えた人の割合が11.6%と、過去6回の調査で最も少なかった。在宅勤務で「効率が上がった」の割合も、初めて減少に転じた。
テレワーカーがオフィス回帰を望んでいる可能性がある──日本生産性本部が7月16日に発表した「第6回 働く人の意識調査」で、そんな指摘が出た。直近1週間の出勤日数が0日と答えた人(完全テレワーカー)の割合が11.6%と、過去6回の調査で最も少なかった。同団体は「効率や満足感の低下を見ると、一種のテレワーク疲れが生じている懸念がある」としている。
テレワークの実施率は4月調査の19.2%から20.4%へと微増(統計的に有意な差はなし)。一方、直近1週間(6月26日〜7月2日)の出勤日数が0日、完全テレワークを行った割合が11.6%に低下。4月調査の18.5%と比べると統計的に有意な差が出た。
完全テレワーカーの雇用者全体に占める割合(テレワーク実施率×週当たり出勤日数0日の率)は、21年1月が4.7%、4月が3.6%、7月が2.4%──と減少傾向で、今回初めて3%を下回った。20年5月調査では10%を上回っていたことを踏まえると、「テレワーク実施率以上に、実施日数の面から、オフィスへの回帰が進んでいる」という。
テレワークのうち在宅勤務について、「効率が上がった」は4月調査の15.5%から13.4%に、「やや上がった」も同43.6%から36.8%に減少。両者を合わせた割合は、59.1%から50.2%に低下した。「効率が上がった」(合計)の割合が減少に転じたのは、同調査では初めて。
在宅勤務に「満足している」と答えた人の割合は、4月調査の27.1%から25.4%に減少。「どちらかと言えば満足している」も同48.6%から44.8%に減り、両者を合わせた割合は75.7%から70.2%に低下した。
日本生産性本部は「在宅勤務の効率向上、満足の割合の減少は、いずれも統計的に有意な変化ではないが、テレワークの後退へと潮目が変わりつつあることを示唆している」としている。
コロナ禍収束後もテレワークを「行いたい」と答えた割合は28.6%で、4月調査の31.8%から微減。「どちらかと言えば行いたい」は45.0%から45.5%に微増し、両者を合わせると、テレワークを望む割合は74.1%となり、4月調査の76.8%と統計的な有意差はなかった。
調査は7月5〜6日、20歳以上で日本企業・団体に雇用されている1100人を対象にインターネットで実施した。
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