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GDPはマイナスなのに、税収プラスの摩訶不思議 経済はもはや内需ではない悲しさ:何が起きているのか(3/3 ページ)
財務省の発表によれば、2020年度の税収実績は60.8兆円。過去最高となり、前年比4.1%の増加だったというのだ。コロナ禍で経済が大打撃を受ける中で、税収が伸びることが不思議としか言いようがないのだが、いったい何が起きているのか。
宿泊・飲食サービスだけではなく、もはや需要(経済効果)は、国内ではなく、中国を中心とした、人口増加国なのだろう。
これだけ、飲食やエンターテイメント業界が抑え込まれ、舞台やイベント関連のアーティスト、スタッフも仕事がなく、自殺者も増加しているというのに、企業も国ももうかっている。
もはや「おかしい」というレベルではなくなっている。「経済に最もダメージが少ない産業」ばかりがいじめられる状況が国の政策なのかと思いたくなる。
国の豊かさや一人ひとりの幸福度というのは、大企業ばかりが儲かることでは決してないだろう。もちろん、納税額で企業価値が決まるはずもない。しかも、企業の内部留保の金額は膨大になり、20年10月時のものだが、企業の内部留保(利益余剰金)8年連続増(前年度比2.6%増の475兆161億円)となっているそうだ。よく、日本人は貯金好きだなどと揶揄する人も多いが、企業の貯金好きはけたはずれだ。
コロナは、国策のかたちすらゆがめてしまったのだろうか。(猪口真)
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