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ニトリも認める老舗メーカー 新社長が挑む「脱・大ヒット」と「全員野球」の哲学家電メーカー進化論(2/7 ページ)

2009年スタートの「ルルド」は、シリーズ累計の販売台数1100万台を突破するほどの人気ブランド。ルルドを手掛けるのは、もともと折りたたみベッドなどの健康器具メーカーで、1992年創業のアテックスだ。約10年前にスタートした健康家電事業の軌跡と、今後の展望について、社長の深野道宏氏に話を聞いた。

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前身は“ぶらさがり健康器”などを展開する歴史ある企業

 アテックスのブランドであるルルドの認知を一気に広めたのは、09年発売のマッサージクッションだ。

 それまでのマッサージ機器市場は、実用性重視でデザイン性を意識した製品はほとんどなかった。そんな中で登場したルルドのマッサージクッションは、一見するとおしゃれなクッションに見える点が特徴で、若い女性を中心に支持を集めていった。

 しかし、ルルドの商品が注目を集める以前のアテックスは、主に通販番組で商品を販売する健康器具メーカーだった。

 「アテックスは、現在当社で会長を務める原島徹が興した会社です。原島は現在86歳で、アテックス以前はいくつかの会社をやっており、それらの会社をアテックスが継承しています。原島の作った一番古い製品は、56年前から販売している背中のツボを押す『グリグリ』でしょうか。ほかにも、ぶらさがり健康器やステッパーなどを手掛けていました。

 アテックスとして最初に手掛けたのは、折りたたみベッドです。布団を置いたまま山折りにできる折りたたみベッドが会社を長く支えてくれました」(深野氏)


現会長の原島徹氏が最初に手掛けた製品が、54年前から販売している「ぐりぐり」

 93年に発売した山折り式の折りたたみベッドは、日本通販などのテレビショッピングやダイエーなどの大手量販店で大ヒット。さらに95年には足をゆらゆらして金魚運動ができる健康器具も発売。これも100万台以上売れる大ヒット商品となった。そこからマッサージチェアなど取り扱うアイテムは増えていったという。

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