サテライトオフィス選び、6つのポイント メリット・デメリットまとめ:助成金・補助金の一覧も(3/5 ページ)
サテライトオフィスを導入するケースが増えています。自宅でのテレワークがうまくいかない従業員が救済されるほか、家賃の削減も可能となります。中小企業が導入するメリット・デメリットについて検証します。
サテライトオフィス選びのポイント
- 【1】デスク形態
シェアオフィスには、フリースペース型と個室型があります。
フリースペース型の場合、不特定多数がスペースを共有するので、情報漏えいと感染のリスクが高まるため、個室型をお勧めします。
ただし、クリエイティブ系の業務では個室型より解放感のあるスペースのほうがよいケースも考えられ、セキュリティレベルの比較的低い業務を行う従業員には、フリースペース型の契約をするのもよいでしょう。この場合でも感染対策が徹底されているシェアオフィスを選択することをお勧めします。
また、社内外とのコミュニケーション手段としてWeb会議や電話を多用する場合は、個室型を選択するとよいでしょう。あるいはフリースペース型でWeb会議、電話会議専用ブースのあるシェアオフィス等を選択しましょう。
- 【2】利用料金
シェアオフィス等でかかる費用は、デスク利用料、管理費、事務手数料、その他オプション費用があります。
デスク利用料は、10分、1時間、1日、1カ月単位とさまざまです。シェアオフィス需要が分からない間は、10分、1時間単位の従量課金制のサービスを利用し、従業員の利用傾向が把握できた時点で1カ月の定額制サービスを利用するのがよいでしょう。
コスト面の問題もあるため、シェアオフィス勤務を認める対象者の要件を設け、該当する従業員向けに自宅近くのシェアオフィスを契約するとよいでしょう。
- 【3】利用時間
シェアオフィスにより24時間365日営業のオフィスから、休業日や営業時間に制限のあるオフィスまでさまざまです。
従業員の勤務実態により、自社にあったシェアオフィスを選択するとよいでしょう。
- 【4】会議室・応接室
急な来客や、リアル会議の開催に利用できる会議室や応接室の有無も確認しましょう。 会議室があっても利用率が高く予約が取れないシェアオフィスもあるため、入会前に会議室の個数、収容人数、空き状況などを確認しておくとよいでしょう。
- 【5】作業環境
厚生労働省がまとめた「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(令和3年3月25日改定)」には、「労働安全衛生規則や事務所衛生基準規則の衛生基準と同等の作業環境になっていることを確認した上でサテライトオフィス等のテレワーク用の作業場を選定」することと記載されており、シェアオフィスに自社のオフィスと同等の環境が整備されているかの確認が必要です。特に注意しなければならないポイントは、図表4の通りです。
このほか、コロナ禍では人口密度、換気設備の有無、感染対策などを、契約前に実際に出向いて、確認することをお勧めします。
- 【6】その他
各シェアオフィス等により、サービス内容は異なります。どのような用途でシェアオフィスを利用するのかを明確にしたうえで、オフィス選びをしましょう。
主なシェアオフィスのサービスには、次のようなものがあります。
- 住所・登記利用(支店として公開することが可能)
- 有人受付(来客時の受付対応をしてくれるサービス)
- 私書箱(郵便物の受取り、専用私書箱への投函サービス)
- 電話利用(その地域の電話番号を取得・利用が可能)
- ロッカー(固定デスク以外の場合、毎回、PC、オフィス用品の持ち込みが不要となり便利)
- 入退場記録(従業員の入退場の記録をしてくれるサービス、勤怠管理に活用できる)
運用ルールづくりのポイント
情報漏えいを生じさせないための運用ルールづくりも必要です。
共同利用型の場合は図表5のようなルールを設け、サテライトオフィス勤務をする従業員向けに教育するとよいでしょう。
セキュリティ対策については、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」が参考になります。
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