「勇気ある経営大賞」グランプリに書店 なぜ?:応募総数は108社
東京商工会議所が「勇気ある経営大賞」を発表した。応募数108社から大賞に選ばれたのは、書店だった。大賞を勝ち取った書店の取り組みとは?
東京商工会議所は7月20日、「勇気ある経営大賞」を発表した。19回目となる今回の大賞企業は三輪書店(東京都文京区)となった。
医学出版業をメイン事業とする三輪書店は、2010年に子会社の東京リハビリステーションサービス(東京都千代田区)を立ち上げ、訪問介護事業に乗り出す。当時、訪問介護事業者はすでに多く、後発参入だった。
そこから、当時は手薄だった子どもリハビリに焦点を当てることに。出版業界のネットワークを活用して経験者を採用し、現場に送り出すだけでなく、子どもリハビリの未経験者を育成する教育研修プログラムを立ち上げる。後発ハンデキャップを乗り越え、市場を活性化させたことが大賞獲得につながった。
優秀賞は建設業の富士空調(埼玉県鴻巣市)や製造業の砂山靴下(東京都葛飾区)などを含む4社となった。靴下メーカーの砂山靴下は、04年に先代の社長が急死したことを機に、仕入先や金融機関からの取引終了、社員の退職など三重苦に追い込まれた。
そこから工場を手放したり、商品の位置付けを被服からを美容健康カテゴリーにシフトしたり、日中ではなく、リラックスタイムに使用する靴下を販売したりなど、さまざまな商品を展開。その結果、21年現在、売り上げベースで435%(04年同期比)成長を達成した。
エントリー企業の条件は、中小企業基本法が定める非上場の中小企業であることに加え、東京都に事業拠点を持つこと。選考においては、「経営理念などを踏まえた挑戦した背景や動機」「挑戦の内容(ビジネスモデルや人材育成などの経営手法)」「挑戦が生んだ成果」を総合的に判断するとしている。応募企業数は108社。
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