前年比130% 6個入りの「冷凍たこ焼き」が、売れているワケ:週末に「へえ」な話(2/4 ページ)
テーブルマークの「ごっつ旨い大粒たこ焼」が売れている。2020年の売り上げをみると、前年比130%で推移した。今年も引き続き好調のようだが、商品化にあたってどのような苦労があったのか。担当者に話を聞いた。
開発担当者は大阪のたこ焼きを参考に
大粒たこ焼の開発にあたって、担当者は単身世帯のデータに注目した。総務省統計局の調査によると、1980年の単身世帯は19.8%だったが、2005年は29.5%に上昇している。商品担当の福本真之さんは「単身世帯が増えていたので、一人暮らしの人をターゲットにして、個食タイプの6個入りを販売しました」(18個入り、40個入りも販売)とのこと。
それまでの冷凍たこ焼きといえば、20個ほど入った中袋、40個ほど入った大袋がよく売れていたが、一人暮らしの人が「おつまみ」「スナック」として楽しんでもらうために、6個入りの商品を販売することに。また、当時の重さは1個20グラムが多かったが、1個30グラムにして食べ応えがあるモノとした。
そして、売れている最大の要因として、個人的には形状を変えたことが大きいと思っている。
10年以上前の話になるが、それまでの冷凍たこ焼きといえば、「釣り鐘状」の形をしたモノが多かった。テーブルマークも釣り鐘状の商品を展開していたが、大粒たこ焼シリーズを販売するにあたって、たこ焼き本来の形である「球体状」にしたのだ。
冒頭の話に戻るが、どのたこ焼きがおいしいか? と聞かれ、以前の「冷凍」であれば不動の3位だったわけだが、球体状にして「外はカリっ、中はトロリ」を実現。食べた人からは「あれ? 以前のモノは食感がフニャフニャしていたのに、コレはお店の味に近くなったなあ」「家でつくるモノよりも、おいしいかも」などと感じ、リピーターが増えていったのではないかと思っている。
そして、巷(ちまた)では「どのたこ焼きがおいしいか?」論争が繰り広げられ、不動の3位だった「冷凍」の地位が上昇しているかもしれない。
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