メルペイ、自社で少額融資「スマートマネー」開始 AIで金利判定(1/2 ページ)
メルペイは8月3日、新たに貸付サービス「スマートマネー」を開始した。ユーザーはアプリで申し込み、メルカリの実績などに基づき、限度額や金利が決まる。貸し付けた資金はメルカリの売上金と共通のメルペイの残高に追加され、同残高から返済できる。
メルペイは8月3日、新たに少額融資サービス「スマートマネー」を開始した。ユーザーはアプリで申し込み、メルカリの実績などに基づき、1000円から20万円までの限度額や金利が決まる。貸し付けた資金はメルカリの売上金と共通のメルペイの残高に追加され、同残高から返済できる。
これまで、翌月支払いでモノが買える「メルペイスマート払い」から始め、分割で返済を行う「メルペイスマート払い(定額払い)」のサービスを開始してきた。今回、ついに少額融資サービスを開始することになる。「4年によるトライ&エラーで積み上げてきたAI与信を、貸金サービスにも活用したい」(信川享介取締役)
特徴は3つある。1つは、メルカリアプリで申し込みと利用が完結し、来店や書類手続きが不要なことだ。2つ目は、メルカリの利用実績に応じて金利が優遇されることだ。金利は3〜15%となっており、メルカリおよびメルペイの利用実績に基づきAIが金利を判断する。「メルカリでの販売実績から将来の販売傾向をAIが予測し、金利が優遇される」(信川氏)
3つ目は返しやすさへの配慮だ。まず、申し込み時に、貸出上限額と金利を決定する極度型ではなく、借り入れの都度、限度額と金利を決定する証貸方式を採用した。「通常は極度型一般的だが、あえて貸付の都度、年収や他社の借り入れを確認し審査を行う」(信川氏)ことで、支払い能力以上の貸付を防止する。
また返済方法は、登録した銀行口座からの引き落としだけでなく、メルカリスマート払い同様、コンビニでの支払いやメルカリ売上残高からの返済も可能にしている。メルカリスマート払いでは、利用者の48.2%が売上金から返済しており、また売上金を保有している人はそうでない人に比べ、延滞率が3分2の水準だという。
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