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創業以来初の「うなぎパイ」生産休止にもめげず、春華堂がコロナでつかんだ“良縁”地域経済の底力(5/5 ページ)

「夜のお菓子」で知られる静岡のお土産品、春華堂の「うなぎパイ」が新型コロナウイルスの影響をまともに受け、一時は生産休止に追い込まれた。そこからの立て直しを図る中で、新たな付き合いも生まれたと山崎貴裕社長は語る。その取り組みを追った。

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次世代のために

 なんとか踏ん張りとどまっているとはいえ、コロナの爪痕(つめあと)は深い。春華堂はコロナ前のタイミングで大きな投資もしており、その借金の返済計画が大幅にずれ込んでいる。ここに軌道修正をかけなくてはならない。

 「今まではある程度余力を持った上で、次なる一手を打ってきました。それがカツカツの状態になってしまった。まずは戻すことが先決。たとえ1、2年は売り上げが止まったとしても、どうにか雇用と会社だけは維持できる体力に戻して、自分たちの子どもの世代にバトンタッチしていきたい」

 その未来を見据えた一大プロジェクトが、4月に開業した複合施設「SWEETS BANK(スイーツバンク)」だ。こだわり尽くした結果、2年以上もスケジュールを後ろ倒しした。当然、その分のコストもかさんだ。

 そうまでしても春華堂や山崎社長が目指したもの、追求したものとは何か。次回はそこに賭けた思いに迫る(50億円を投じてでも、新施設で「うなぎパイ」の思いを春華堂が再現したかった理由)。

著者プロフィール

伏見学(ふしみ まなぶ)

フリーランス記者。1979年生まれ。神奈川県出身。専門テーマは「地方創生」「働き方/生き方」。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。ニュースサイト「ITmedia」を経て、社会課題解決メディア「Renews」の立ち上げに参画。


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