楽天、モバイル先行投資で赤字拡大 三木谷社長が目指す「一石三鳥」:上期決算
8月11日、楽天グループは2021年度の第2四半期決算を発表した。売上高が前年同期比16.9%増の7936億円、営業損益が1008億円の赤字(前年同期は207億円の赤字)と増収減益だったが、三木谷社長はモバイル事業の「一石三鳥」を目指すという。
楽天グループが8月11日に発表した2021年12月期第2四半期(21年1〜6月)連結決算は、売上高が前年同期比16.9%増の7936億円、営業損益が1008億円の赤字(前年同期は207億円の赤字)と増収減益だった。純損益は654億円の赤字(274億円の赤字)に拡大。モバイル事業への投資が響いた。
モバイル事業は、売上高は29.4%増の1072億円と増えたが、セグメント損益は1972億円の赤字(前年同期は892億円の赤字)だった。
楽天モバイルの申し込み回線数は、21年6月時点で442万件。通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間が終了し、一部のユーザーの通信料収入が順次計上され始めた。一方、自社ネットワークエリア拡大の前倒しに伴い、減価償却費などのネットワーク関連費用がかさんだ。
三木谷浩史社長は「モバイル事業単体で、将来的には大きなビジネスになる」と見込んでいる。その上で、モバイル単体での収益化に加え「ユーザーを楽天の他サービスに取り込むこと、国内で構築したモバイルネットワークをグローバルの携帯事業者などに販売すること、という“一石三鳥”を目指している」と説明した。
その他、EC「楽天市場」などを含むインターネットサービス事業は、売上高が前年同期比17.8%増の4628億円、セグメント利益が589億円(前年同期は21億円の赤字)と増収増益。フィンテック事業も、売上高が8.2%増の3047億円、セグメント利益が14.6%増の470億円と好調だった。
楽天市場などでは「巣ごもり消費」で増加した顧客が定着。クレジットカード関連サービスでは、オンラインショッピングを中心に取扱高が伸長した。インターネット銀行、証券サービスなども増収増益を達成した。
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