福利厚生、コロナ禍では? トレンド変化と注目の最新サービス:テレワークのためのサービスも(4/4 ページ)
リモートワークや時短勤務、週4日勤務などを導入し、ワークライフバランスの向上を目指す企業が増えています。そこで、従業員の満足度を考えるときに欠かせない福利厚生の新しいタイプのサービスを紹介します。
中小企業でも導入できる最新の福利厚生サービス
オフィスワークや対面に捉われない柔軟な働き方が定着するなか、新しい福利厚生サービスが注目を集めています。
ユニークな福利厚生を導入することにより、他社との差別化を図ったり、賃金以外の付加価値としてアピールする企業が増えてきました。
社員の定着率が低い中小企業にとっては、エンゲージメント強化施策として福利厚生制度が有効なため、中小企業こそ、この制度は活用すべきです。
筆者が実際に活用してみて、導入しやすくおすすめの福利厚生サービスを3つ紹介します。
(1)miive(ミーブ)
miiveは、オフィスでもリモートでも、どこでも利用できるさまざまなコンテンツを、福利厚生としてポイント精算できるプリペイドカードです。
miiveカードは、企業が毎月定額のポイントを従業員に福利厚生として支給できる仕組みになっており、ポイントの利用先はVISA加盟店のなかから会社の方針に合わせてカスタマイズできます。
支払いは、miiveカード1枚
デリバリーランチやコンビニなど、オフィスでもリモートでも利用できる点がイマドキ。また、決済金額の1%が利用者に還元されるので、使うほどにお得なカードです。
立替精算機能などもあり、従業員は、働くうえで生じる支払いにmiiveカードを使うことで事前申請や書面での請求などの煩雑なやりとりをしなくて済むのもメリットです。
福利厚生の管理をシンプルに
システム上で利用履歴データを確認できるため、経理・人事担当者は書面でのチェックや承認の手間なく、福利厚生を運用することができます。
(2)GREEN SPOON(グリーンスプーン)
「テレワークだと仕事と休憩の線引きが難しく、いつの間にか食事を抜いてしまう」「デリバリーだと栄養が偏るので手軽に栄養バランスの取れた食事がしたい」といった声が従業員から挙がることがあります。
GREEN SPOONは、定額制パーソナルフードを毎月自宅へ届ける福利厚生プログラムで、新鮮な野菜・果物を瞬間冷凍したグリーンスムージーキットやオリジナルのスープを毎月発送してくれるサブスクリプションサービスです。
カラダや日々の生活に合わせ、200種類以上の野菜・フルーツ・スーパーフードからカスタムされたさまざまなスムージーやスープを毎月自宅まで配送してくれます。
テレワーク中の従業員に不足しがちな栄養を手軽に取れるよう、スムージーはミキサーやブレンダーで60秒撹拌するだけ。スープは電子レンジで5分間あたためるだけの簡単ステップで完成します。
無料で自分に合った野菜や果物を調査してくれる「パーソナル診断」ができるので一度試してみてください。
(3)PostCoffee(ポストコーヒー)
PostCoffeeは、テレワークが当たり前になりつつある今にぴったりのサービスで、毎月好みのコーヒーが自宅に届きます。
ラインアップは、世界約15か国から最高品質のスペシャルティコーヒーを厳選。テレワーク中でも「仕事のおとも」「休憩中のリラックスタイム」としての利用が可能です。ほとんどが希少なコーヒーなのもうれしいポイント。また、好みに合わせて、豆のひき方や頻度、分量、シュガー、ミルクなどをカスタマイズできます。
福利厚生の意義は、「従業員のよりよい生活を支え、個人が持つ力を最大限引き出すこと」にあります。柔軟な働き方が定着するなか、働き方のニューノーマルに合わせて、既存の福利厚生も暮らしに合わせたアップデートが必要となってくるでしょう。
福利厚生が充実していることで従業員に安心感や信頼感をもたらし、心理的なエンゲージメントにつながる点にも注目してください。
福利厚生で、従業員がポジティブに働けるシステムや環境をつくっていきたいものですね。
著者:中村史織(なかむら・しおり)
Webライター。フリーライター×図書館司書。宮城県出身。NHK仙台放送局放送部アナウンス課およびラジオ番組AD、テレビ番組AD・ライター経験を経て独立。諸サイトにて記事を執筆している。
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