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”おじさん上層部”の反対を押し切って発売 約2年で44万個売れた「プリントグラス」のヒットの理由とは?7カ月連続で最高販売数を更新(4/4 ページ)

創業200年の老舗ガラスメーカーが復刻させた、昭和レトロなデザインのプリントグラスが爆発的に売れている。累計販売数は2019年10月の発売から約2年で44万個を突破した。昨年の1月からは7カ月連続で月次の最高販売数を更新しているという。なぜ今、復刻商品が売れているのか? その秘密に迫る。

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昭和レトロブームが追い風に

 大ヒットした2つ目の理由は、平成から令和に切り替わる19年前半に起こった昭和レトロブーム。トレンドの移り変わりが激しい世の中で、ブームは一過性のものとなりがちだ。しかし、昭和レトロブームの盛り上がりはとどまるところを知らない。

 昭和のたたずまいが残る純喫茶が若い女性の間で注目され、インスタグラムにはクリームソーダの写真がいくつもアップされている。また、〇〇横丁と名付けられた居酒屋は現在も多くの若者でにぎわっており、20年6月には虎ノ門ヒルズに、7月には渋谷のMIYASHITA PARKにそれぞれ「虎ノ門横丁」と「渋谷横丁」が開業。21年5月には埼玉県所沢市にある西武遊園地が昭和レトロに大改装したことも話題を集めた。


渋谷に開業した渋谷横丁(画像:渋谷横丁公式webページより)

 時代の流れに乗ったことで取扱店も増加した。ロフトやOne'sterrace(ワンズテラス)、niko and...(ニコアンド)などの有名雑貨店でも取り扱われるようになった。その他、ネット経由の購入も急増し、楽天市場での20年の売り上げは19年比の8倍に上った。

 「昭和レトロブームをきっかけに認知度が大幅に上昇し、SNSでの好循環が生まれています。多くのお客さまがインスタグラムで商品をアップしてくださることで、更なる認知の拡大や購入につながっていると感じます」(後藤氏)


ロフト吉祥寺店では「昭和 - ish雑貨」という特設コーナーが設けられ、アデリアレトロも大きく紹介されていた
グラスだけでなく、お皿などの商品も展開している

 アデリアレトロシリーズが大ヒットした裏側には、ファンベースの商品開発と全国規模での商品展開に踏み切ったタイミングで昭和レトロブームが起こり時代の波にうまく乗れたことがあった。約1年という時間をかけて消費者の潜在ニーズを調査した結果といえるだろう。

 今後の展開について後藤氏は「アデリアレトロを喜んで使い続けていただくためにはどうすればいいのか? などファンの意見を参考にしながら、引き続きニーズに合った商品を展開していきたい」と話した。

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