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”おじさん上層部”の反対を押し切って発売 約2年で44万個売れた「プリントグラス」のヒットの理由とは?7カ月連続で最高販売数を更新(3/4 ページ)

創業200年の老舗ガラスメーカーが復刻させた、昭和レトロなデザインのプリントグラスが爆発的に売れている。累計販売数は2019年10月の発売から約2年で44万個を突破した。昨年の1月からは7カ月連続で月次の最高販売数を更新しているという。なぜ今、復刻商品が売れているのか? その秘密に迫る。

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1つ目は「アデリアファンの意見に耳を傾ける」

 アデリアレトロの大ヒットにつながった理由の1つは、同商品のファンの存在だ。商品を復刻させる際はインスタグラムを通じて、ファンとコミュニケーションを取るようにしているという。

 「復刻商品の企画会議でおじさん社員がアイデアを出しても女性社員からダメ出しされてしまいます。彼女たちは、インスタグラムで『どっちの商品を復刻してほしいか?』というアンケートを取ったり、お客さまのアデリアレトロに関する投稿を見たりしながら、どういった商品が求められているのかを調査しています」(同社の市販部 販促マーケティンググループの後藤鉄平氏)

 ファンからフィードバックを受けながら商品を発売することで、10柄37種類の商品展開にもかかわらず全商品が均等に売れているという。

 「最も売れている商品は”野ばな柄”ですが、ほとんど横並びで売れています。アデリアレトロのファンは新商品が出ると全柄を購入する傾向にあります。ファンの『集めたい!』欲求にアプローチできている結果だと思います。また、今までグラスには機能性が求められていましたが、機能性以外の価値をアデリアレトロに感じてもらえていると考えています」(後藤氏)

 アデリアレトロのグラスは700円。ボンボン入れ(小)は1200円、ボンボン入れ(大)と脚付きグラスは1500円と決して安くはない値段だ。それでも売れるのは、グラスという機能だけでなく、「見て楽しい」「置いて楽しい」「使って楽しい」という体験を提供している点があるといえそうだ。


脚付きグラス(画像:石塚硝子より)

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