コラム
退職勧奨で決めるべきこと 誰を対象にするのか、対象にしてはいけないのか:社労士が解説(1/2 ページ)
退職勧奨とは、会社が雇用する従業員に退職するよう促すことをいいます。退職勧奨を行う上で、あらかじめ決めておくべきことを解説します。
退職勧奨とは、会社が雇用する従業員に退職するよう促すことをいいます。それを受けるか否かは、従業員の意思に任されます。
退職勧奨は、業績悪化時の人件費対策として実施されます。その点は本連載でこれまで3回にわたって解説してきた希望退職と同様です。
希望退職は、会社が希望退職に応じる人を募集して応募を待つという施策です。手を挙げるかどうかは本人に任されていますし、誰が応募するかを会社がコントロールすることも基本的にはできません。その意味では、受け身の施策という性格が割と強いです。
一方、退職勧奨は、最終的に応じるか否かは本人に任されているものの、勧奨の対象を会社が決め、その人に直接働きかけます。希望退職より能動的でハードな施策といえます。また退職勧奨は業績悪化対策としてだけでなく、問題社員に退職を促すような場合にも使われます。
本稿では、業績悪化対策としての退職勧奨を解説します。退職金上乗せなど、希望退職とほぼ同じ内容になることについては最小限にとどめ、退職勧奨固有の問題を中心に解説することにします。
1.退職勧奨で決めるべきこと
退職勧奨であらかじめ決めておくべきことは次の通りです。
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