「できない理由ばかり探す人」が、会社で量産されるワケ:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
会社の組織で「できない理由」ばかり語る人がいる。なぜ、彼/彼女らはできない理由ばかり述べるのか。その背景にあるのは……。
先日、ワイドショーを見ていたら、兵庫県で500人以上のコロナ患者を診察してきた長尾クリニックの長尾和宏院長がリモート出演して、新型コロナウイルス感染症を現在の2類相当から、季節性インフルエンザと同じ5類へ引き下げるべきだと提言していた。
ご存じのように、欧米よりもケタ違いに少ない感染者数の日本が1年以上も「医療崩壊の危機」が続いているのは、「2類相当」という縛りによるところも大きい。これによって、感染者の治療・入院はすべて保健所を通さないといけないので、感染者の情報収集や入院の調整で保健所がパンク。感染しても放置されたり、たらい回しされていたりするのは、このような保健所の「目詰まり」も影響している。
また、「2類相当」によって「開業医や町の診療所はコロナ患者を診療しなくていい」という方針になったことで、公立・公的病院など一部の医療機関ばかりにコロナ患者が集中して、野戦病院のようになってしまっている。
長尾氏の言うように「5類」に引き下げれば、これらの問題は一気に解消される。一刻も早く真剣に検討すべき提言だが、スタジオはビミョーな空気になっていた。
「法律を変えなくてはいけないので、国会閉会中の今は難しいのでは」「ここまで怖いウイルスだと怖がらせていたのに、急にインフルエンザと同じと言っても国民には受け入れられない」「小さなクリニックでは感染対策ができないのでは」など、否定的な意見が相次いだのだ。
その場で長尾氏も言っていたが、指定感染症はあくまで「政令」なので菅義偉首相が決めれば明日からでも運用できる。また「小さな病院は人員がいない、設備的に無理だ」という言い訳も1年以上聞いているが、現在は医療従事者も重症化リスクの高い人々もワクチンを打っている。ここまでリスクが減っているのだから、開業医といえども、無症状者や軽症者の診察、自宅療養者の健康チェックなどで協力すべきだ。また、多くの患者を診察してきた長尾氏によれば、コロナは早期発見でイベルメクチンなどの薬で重症化を防げるという。地域医療を担う開業医がこれをやってくれれば、中等症以上の患者を受け入れる病院の負担はかなり軽減される。「医療の緊急事態」を乗り切るアイデアとして、しごくまっとうだ。
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