鳥貴族、新業態「トリキバーガー」の店舗公開 社長が指示した「マクドナルド並みのスピード」:鳥貴族のDNAも(2/3 ページ)
鳥貴族ホールディングスが新業態「トリキバーガー」をオープンする。店舗が報道陣に公開された。鳥貴族のDNAはどこに反映されているのか。
なぜ価格が統一されているのか
同店には、トリキバーガー、焼鳥バーガー、サラダチキン、つくねチーズバーガー、チキン南蛮などがあるが、いずれも単品で390円、セットメニューで590円と価格を統一している。広報担当者によると、これは利用者に「選ぶ楽しみを提供するための工夫」だという。
大手居酒屋チェーンの鳥貴族は、価格を298円(税込327円)で統一しているのが大きな特徴だ。それは、会計時の分かりやすさを訴求しているだけでなく、価格を気にせずに食べたいものを注文してもらう狙いがある。この値付けの精神はトリキバーガーにも反映されている。鳥貴族HDの大倉忠司社長は、「当初の案では、トリキバーガーで提供するハンバーガーの値段がバラバラだったが、統一するよう指示した」と説明する。また、「てりやきバーガー」を「焼鳥バーガー」に改名するよう指示したのも大倉社長だ。こういったところに、鳥貴族のDNAが反映されている。
トリキバーガーの狙うターゲット
トリキバーガーの想定ターゲットは「お一人様、ファミリー、若年層の男女」だ。想定客単価は、1回当たりの会計ベースで800円だ(家族の分もまとめても注文するようなケースも含んでいる)。売り上げ目標は1店舗当たり年商2億円程度。当面は駅前や繁華街など、都内を中心に出店する。3年で直営店10〜20店舗体制を目指す。郊外に出店する場合は、ドライブスルーの導入も検討するとしている。直営、フランチャイズの両方で展開を加速させる予定で、長期的には海外進出も視野に入れている。鳥貴族HDは、中期経営計画において、トリキバーガーを鳥貴族と並ぶ事業に育てるとしている。
現在、居酒屋業態はコロナの影響を大きく受けている。一方、ハンバーガーはテークアウトの利用客が多く、コロナの影響をそれほど受けていない。日本マクドナルドはコロナ禍でも業績が絶好調だ。
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