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政府が送った高級ウイスキーはどこに? 企業も“わいろ”を渡すのは止めよう世界を読み解くニュース・サロン(5/5 ページ)

日本政府が米国のポンペオ前国務長官に贈った高級ウイスキーの所在が分からなくなった――。どこにいったのかという問題よりも、そもそも贈り物をする必要はあるのだろうか。コンプライスが重視されている昨今、こうした行為は「わいろ」と受け取られて……。

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いまの基準でいえば「わいろ」

 各方面からの批判を受け、IOCは20年に「いくらだろうが、贈り物は禁止」との立場を示した。というわけで、東京招致の際に、送った数々の品物は、いまの基準でいえば「わいろ」になる。

 ちなみに、ねぎらいの意味の「差し入れ」はどうだろうか。コンプライアンスが重要視されている昨今の状況を考えれば、それも便宜を求める「贈り物」として受け取られるかもしれない。

 時代の流れを考えれば、外交も会社も、このように定義したほうが賢明だ。どんなモノも送ってはいけないし、どんなモノも受け取ってはいけない――と。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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