意外にも、2020年度のEC取引はマイナスか:拡大どころか(2/3 ページ)
コロナ禍で、「ECが大幅拡大」「巣ごもり需要が活性化」「ECで物流が疲弊」など、世はEC一色のような騒がれ方をしたものだが、ふたをあけてみると、拡大どころかマイナスとなっていた。
飲食でいえば、飲食業はなんとか踏ん張った印象だ。マスコミでも飲食店をなんとかしろ、飲食店を救えの大号令だったので、相当の落ち込みかと思ったが、意外に売り上げはあった感じだ。これに協力金が加われば、ひょっとしたらプラスではないのか。なんとも言えない結果だ。困っている人はほかにもたくさんいる。あるいは、ECを取り入れることができているかいないかで、業績はかなり変わるということか。
また、今年度からフードデリバリーサービスの枠が新たに登場した。市場規模で3,487 億円と急成長した市場となった。データ上では、飲食とフードデリバリーサービスは分かれているので、合算すれば、飲食業のEC売上は、かなりの伸びとなっている。
ということは、相当EC化が進んだのだろうとも推測できるのだが、EC 化率はというと、物販系で前年より1.32ポイント上昇したものの、全体でいえば8.08%と、1割もない。大半の人は、モノはお店に買いに行くのだ。
(サービス系に関しては、EC化率はあえて算出していない)
これまで物販のEC取引はおおよそ10%ずつ伸びてきたので、単純計算すれば、約1兆円分程度が今回のコロナ禍で伸びた計算になるのだろうが、ウーバーイーツや出前館などの新たなサービスが登場したのだから、それぐらいはいくだろう。
品目別でEC化率を見ると、「書籍、映像・音楽ソフト」が42.97%、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が37.45%、「生活雑貨、家具、インテリア」が26.03%となっており、これらの商材はかなりEC化が進んでいるようだ。
商品の性質を考えれば、「書籍、映像・音楽ソフト」に関しては、いまだに半数もいかないのが不思議なぐらいだし、仕様の明解さを考えれば、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」もECが半数を超えるのも近いだろう。
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