カプセルを大胆リノベーション! カプセルホテルの“安心お宿”がコロナ禍で打ち出す“秘策”:瀧澤信秋「ホテルの深層」(1/5 ページ)
筆者が取材を続けてきた“カプセルホテルのトップランナー”といわれる事業者にフォーカス。アフターコロナに向けても新たな境地を切り開きつつあるリアルな現場について、これまでの取材の総括も含めレポートしたい。
前回執筆した、『爆増した3万ブース超のカプセルホテル “ブーム終焉”の理由はコロナ禍だけじゃなかった』では、カプセルホテルの定義付けや宿泊業界におけるインパクトといった総論的な内容について触れた。また、コロナ禍前からの供給過多という状況から、日本社会が経験したことのない感染症と対峙する中、大打撃を受け続けたカプセルホテル業界全体についても振り返ってみた。
今回は、筆者が数年間にわたり取材を続けてきた“カプセルホテルのトップランナー”といわれる事業者にフォーカスする。コロナ禍前から抱いていた危機感、突如襲い掛かった新型コロナウイルスの脅威と闘う現場、試行錯誤の末に行き着く斬新なアイデアなど、アフターコロナに向けても新たな境地を切り開きつつあるリアルな現場について、これまでの取材の総括も含めレポートしたい。
進化型カプセルホテルとの出会い
レジャー施設などを運営するサンザ(東京都新宿区)が都心を中心に展開する「豪華カプセルホテル安心お宿(以下、安心お宿)」。1号店の東京・新橋を皮切りに、都内各所へ“進化型カプセルホテル”を出店してきた。
進化型カプセルホテルとは筆者の造語であるが、旧来のカプセルホテルにはないデザインやサービスなどに気遣った施設のことだ。進化型カプセルホテルの社会的な認知を振り返っても、このブランドの存在は欠かせないだろう。
筆者と安心お宿の出会いは、2014年に自身に課した365日365ホテルにチェックインするという個人的なミッションの遂行中、都内にあったカプセルホテル全店舗へチェックインしている時だった。それまで抱いていたカプセルホテルのイメージが根底から覆った衝撃的な体験にもなった。
当時担当していた、写真週刊誌の“カプセルホテルガチ覆面調査ランキング”という企画で、勝手にランクインさせたこともきっかけとなり、以後長きに渡り取材を続けていく対象となった。
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