アフガニスタンで日本車が注目されている、なぜ?:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
アフガニスタンでイスラム武装勢力タリバンが、アフガン政府を追い出したニュースが話題になっている。新たな政権が誕生しようとしているわけだが、その一方で、日本車が注目されている。欧米のメディアがフォーカスしていて……。
信頼の証であるが……
少し話はそれるが、トヨタのピックアップトラックと言えば、85年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にも、主人公の「夢の車」として登場する。タリバン戦闘員らがその後に乗り回すことになるトヨタのハイラックスだ。テロリストのみならず、米国の若者などにも注目される人気車種だった。
ハイラックスに加えて過激派らに人気なのは、トヨタのランドクルーザー。過激派の御用達としてこれまでもメディアなどで報じられてきたことから、テロリストがランクルを好むのは広く知られるようになった。
トヨタ以外の日本車もニュースで見かける。日産やマツダのクルマも見かけたことがある。そして最近、テロ事件以外でも日本車が世界的な事件に使われた例があった。
20年11月に、イランの核開発プログラムで責任ある地位にあった核科学者が首都テヘラン郊外の路上で、イスラエルの諜報機関モサドに暗殺されたとされる事件だ。
イラン政府側の主張によれば、その手口は、路肩に停めたクルマにAI制御の機関銃を積んだピックアップトラックを設置し、車内にいるその科学者の顔を自動的に認識して銃撃したのち、そのピップアップトラックは自爆、一瞬で証拠を消したと言われている。
そのピックアップトラックが、日産のクルマだった。絶対に失敗の許されない暗殺工作で、日産のクルマが選ばれたことは、ある意味で日本車への信頼の証であると言えるのかもしれないが、メーカーとしては、暗殺事件に使われるのは気持ちがいいものではないだろう。
また事件以外でも、国連などの人道支援で、トヨタや日産が使われているし、世界的に舗装されていないような道路を走り回ることが多い人権活動の現場などで日本車が好まれている。
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