DXとデジタル化の違い 大企業上層部の7割が「説明できない」
大企業の経営層・役職者のうち、73%がDXとデジタル化の違いを「説明できない」――そんな結果が、ドリーム・アーツの調査で明らかになった。DXを取り巻く現状とは?
大企業の経営層・役職者のうち、73%がDXとデジタル化の違いを「説明できない」――そんな結果が、ドリーム・アーツ(東京都渋谷区)の調査で明らかになった。
職位別にみると「どちらかというと説明できない」「説明できない」人の割合は、役員クラス(取締役以上)では61%、管理職(部長クラス)では64%、中間管理職では80%だった。現場に近い人ほど違いを説明できないことが分かる。
実際にDXに取り組んでいる企業は59%、業務のデジタル化に取り組んでいる企業は64%という結果だった。
最重要としている取り組みについては「デジタル技術を活用したビジネスプロセス改革」と「ペーパーレス化による生産性の向上」が26%、「デジタル技術を活用したビジネスモデル変革」が24%と、それぞれ4分の1程度が注力していた。しかし、ここでも最も多い回答は「分からない」(29%)だった。
DXの成果は?
すでにDXに取り組んでいる企業のうち、成果が出ている企業は52%だった(「そう思う」「ややそう思う」の合計)。
成果が出ている企業の状況については、「経営層からのDX方針が明確に出ている」(80%)、「経営層がデジタルの価値をよく理解している」(69%)、「経営層のなかにDXの責任者がいる」(65%)といった項目に多くの同意が集まった。DXの成果が出ている企業では、経営陣の方針が明確で、上意下達できていることが見て取れる。
調査は7月30日〜8月2日に行った。対象者は従業員数1000人以上の企業の経営層および役職者で、1000件の有効回答を集計した。
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