「振り回されたのはGoToに似ている」との声も 東京五輪はホテルに恩恵をもたらしたのか:瀧澤信秋「ホテルの深層」(6/6 ページ)
五輪開催で当初は不足問題も浮上したホテル業界。それが新型コロナウイルス感染拡大で一転、一気にネガティブな空気が支配した。多くの競技が無観客開催となったが、五輪はホテルに恩恵をもたらしたのだろうか。
本来ならば、ホテル業界に大きな恩恵をもたらすはずだった東京五輪。業界内では一部の関連ホテルであれ、暗いニュースが続いてきた業界だけに一筋の光にも感じられたのであろう。大会関係者の利用とはいえ、前向きでポジティブな、久々の明るいニュースだったことは間違いなさそうだ。
それにしてもGoToであれ今回の五輪であれ、公的な出捐(しゅつえん)が起因となる需要喚起であるが、多くの人々が自由闊達(かったつ)に“自らの財布”で旅に出て、ホテルがにぎわう日が1日も早く戻ることを願わずにはいられない。
著者プロフィール
瀧澤信秋(たきざわ のぶあき/ホテル評論家 旅行作家)
一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。
日本を代表するホテル評論家として利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。評論対象は宿泊施設が提供するサービスという視座から、ラグジュアリーホテルからビジネスホテル、旅館、簡易宿所、レジャー(ラブ)ホテルなど多業態に渡る。テレビやラジオ、雑誌、新聞等メディアでの存在感も際立ち、膨大な宿泊経験という徹底した現場主義からの知見にポジティブ情報ばかりではなく、課題や問題点も指摘できる日本唯一のホテル評論家としてメディアからの信頼は厚い。
著書に「365日365ホテル」(マガジンハウス)、「最強のホテル100」(イースト・プレス)、「辛口評論家、星野リゾートへ泊まってみた」(光文社新書)などがある。
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