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3年間で大改革の「タイガー」、きっかけは元ソニーの女性役員家電メーカー進化論(7/7 ページ)

1923年創業で、ステンレスボトルや炊飯器などの多くの製品を手掛けるタイガー魔法瓶。2023年に100周年を控えた18年からは、元ソニーでVAIO事業を立ち上げるなどした浅見彰子氏が、既存事業のほか構造改革や未来のビジョンづくりに取り組む。タイガーが抱えていた課題と施策、そして100周年後の展望などを聞いた。

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 「企業が成長するときには、王道となるパターンがあります。製品の開発製造を行う当社のような企業の場合は、民生用技術を産業、医療、宇宙などのハイテク分野へ転用し、そこで培ったノウハウをまた民生に戻すという循環による成長です。

 また完品だけを作るのではなく、技術をモジュール化してビジネスをすることも大切です。例えば、ソニーもデジタルカメラを作るだけでなく、スマートフォン向けカメラモジュールが大きなビジネスになっています。ものづくりを、そういう王道に乗せ、数十年スパンできっちり静々と進めていきたいですね」(浅見氏)

 長い間、良い製品を作りつつも消費者にうまく伝えられずに、市場の変化にもさらされていたタイガー。元ソニーの浅見氏の参画をきっかけとして、マーケティングの力と、ユーザー目線での商品開発のノウハウを展開し、大きく変化を始めている。その結果、これまで中高年が中心だったユーザー層に、20代が増え始めており、日経リサーチ「ブランド戦略サーベイ2021」の総合評価ランキングトップ100に、96位で初めてランクインしているそうだ。

 またSDGsという言葉が広がる前から取り組んできた環境や社会課題への対応も、時代が追いついて来た。誠実なものづくりとハイテク産業分野で培った高い技術に、マーケティングとユーザー視点が加わったタイガーは「平成」を飛ばし、「昭和」から「令和」のメーカーに生まれ変わった。

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