コロナ収束後「デジタルツールでの採用が定着する」86%が予測:満足度や使用実態は?(2/2 ページ)
求人情報サイト「バイトル」などを運営するディップは、「コロナ禍の採用活動とコロナ収束後のDX」について、人事部門と直近1年以内に転職をした969人を対象に調査を実施した。その結果……。
デジタルツールの効果
デジタルツールの効果については、「効果を実感している」が76.1%と、多くの企業で変化があったという。
その理由として、「業務スピードの効率化に繋がったから」(55.5%)が最も多く、次いで「リモートワーク化での働き方にフィットしたから」(38.9%)、「遠方の方の採用をしやすくなったから」(37.1%)となった。ただし、中小企業においては「(効果実感は)特になし」が22.9%と、大企業の6.3%と比べて15ポイント以上も差があり、一概に効果を実感できるとはいえない現状もあるようだ。
デジタルツールを利用しての面接と入社手続きの満足度について、全体平均で72.3%が「満足している」「やや満足している」と回答。ただ、転職者と人事部門の間で差が生じており、転職者は35.5%が満足しているのに対して、人事部門は22.5%と13ポイントの差があった。人事部門からのフリー回答では、「面接時、人間性がわからない」「自社の説明が伝わっているか不明」などの理由が挙げられた。
人事部門におけるコロナ収束後のデジタルツール定着については、全体平均で「利用が定着する」が50.3%と半数を占めており、「利用が進む」35.8%を含めると86.1%がコロナ収束後のデジタルツール定着が高くなると予測した。「利用が進む」の回答として最も多かったのは、「入社時のオンライン書類提出ツール」(39.6%)という結果に。前述の通り、現時点では「入社手続き」のオンライン化は遅れているものの、これから利用が伸びるかもしれない。
利用が進むと予測できる背景として、「エントリーの数が圧倒的に増加、全国各地から応募が集まるようになった」という「応募数の増加」を理由に挙げる意見が多く、時間・場所の制約が緩和されたことにより、応募時のハードルが下がったことがうかがえる。同時に「エントリー増加により、志望動機が不明瞭な応募者が増える」といった意見もあるが、一方で「入社希望者が増えたため、入社条件を厳しくして、よりいい人材や若手社員の獲得を目指すようになった」と、より優秀な人材の採用を目指す様子もうかがえた。
この調査結果を踏まえ、ディップのDX事業本部 三浦日出樹本部長 は「一次面接は、地理的制約なしに優秀な人材に会えるWEB面接、最終面接はやっぱり対面で見極める、というように、Webと対面を併用できるように確立していく必要があるでしょう」と語った。
調査は、2021年07月16〜26日にインターネットで実施。首都圏に住む20〜69歳の男女969人 (直近1年以内転職者 515人、人事部門 454人)を対象とした。
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