就活面接で、河村市長的ハラスメントおじさんが出てきたら:どうする?(1/2 ページ)
オリンピック金メダル丸かじり事件で大批判を受けた後、自らがコロナ罹患で療養されていた河村名古屋市長も回復されたとのこと。河村市長と同世代は組織の幹部になっている人も多く、そんな人が採用面接でやらかすリスクが非常に高いことを証明しているといえます。
著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた):
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
9月2日、毎日新聞経済面に載った「経済記者一戦レポート『後絶たぬ就活セクハラ』」では、現時点でも上場大企業などで就活学生へのセクハラが発生している実態を伝えています。令和3年にもなって、いまだにセクハラやパワハラが、しかも上場企業のような大企業でも発生しているのです。
私がハラスメント対策セミナーを担当するようになったのは5年ほど前くらいからです。コロナが発生する前には一気にハラスメントセミナーや講演の依頼が殺到状態になり、大企業や官公庁の、特にハラスメントと指導の境界に悩む管理職向け講座を多数行いました。
大企業・官公庁ではこれだけ対策が進められているのに、毎日新聞記事のような実態が続くのはなぜでしょう? 大企業中心に企業側は対策を確実にしているのに、です。
河村市長的おじさんの気遣いが全部ダメな理由
大批判を浴びた河村市長ですが、メダルかじりという言語道断な行動は言うまでもなく、その後の謝罪会見もグッダグダで、全然お詫びの気持ちもなく、何よりご本人に一切悪いことをしたという反省の認識がないことがこれだけあからさまに丸見えとなる会見は無いほどでした。
つまり河村市長的おじさんは、ハラスメントを全く理解していないのです。恐らく河村氏に限らず、また男性女性問わず、言葉としてのハラスメントの意味は理解できていても、ハラスメントが何であるかという中身を全く理解できていないと断言します。
河村氏の謝罪会見でそれは明らかになっています。小学生など来客をなごませようと思って「好きな子はいるか」と聞くとのこと。気遣いが理由であっても、恋人・結婚という最もデリケートなプライバシー部分に土足で踏み込むという意味が理解できていないのです。人間は恋人がいて普通。結婚できて一人前という価値観を、このダイバーシティが言われる中、全く理解できていません。
つまりこういった人たちがSDGsといっても、恐らくその文字上の意味以外の、本来のコンセプトは全く理解できていないと考えられます。だからこれだけ袋だたきにあっても、恐らくこの先もハラスメントやらかしおじさん・おばさんは確実に出てくることでしょう。
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