「歯ぐきが気持ち悪い」 ディスられていたガリガリ君が「国民的キャラ」になれたワケ:今のガリガリ君、実は2代目(5/5 ページ)
「歯ぐきが気持ち悪い」「田舎っぽい」とディスられていたガリガリ君。国民的キャラになれた理由は「話題作り力」にあった。2021年で40周年を迎えるが、誕生からどのようなプロモーションがあっただろうか? 成功事例・失敗事例とともに振り返ってみる。
社長が先陣を切った謝罪CMが話題に
「値上げ」には苦い思い出がある赤城乳業。1990年に消費税が導入され、アイスクリームメーカー各社が値上げに踏み切ったタイミングでも、値上げを1年以上遅らせるなど慎重な対応だった。そんな同社が2016年に25年ぶりとなる値上げを発表。原材料費や物流費などの関係で60円から70円になった。
ガリガリ君の「生みの親」である井上秀樹会長自ら陣頭に立ち、本社の工場前で役員と社員が深々と頭を下げて値上げを詫びるCMを流した。岡本氏は謝罪CMについて「過去の経験から誠心誠意、値上げに対してメッセージを出そうと思いました。同じ商品を買い続けることは多くないと思います。ガリガリ君も情報に触れなければ購入の選択肢からこぼれ落ちてしまう。値上げはマイナスな情報だったものの、メッセージをしっかり届けたことで好意的に受け取ってもらえたのではないかと考えています」と話す。
実際に「よく耐えた」「ガリガリ君、応援している」などのコメントが届いた。また、値上げしたにもかかわらず、販売数が落ち込むこともなかったという。1981年以来「うまい」「安い」「大きい」を担保し続けたからこその結果といえるだろう。
ブームは落ち着き、現在の販売本数は4億本前後で推移している。8月30日にはポケモンとコラボした商品を数量限定で発売し、話題になった。「当社は予算が潤沢にあるわけではありません。CMを通年流し続けるなどは難しく、1回1回のインパクトが大きく、話題になってしっかりとお客さんにメッセージを届けることを意識していました」(岡本氏)。
目標の5億本はまだ遠い。達成に向けて次はどんな話題で楽しませてくれるのだろうか。
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