大量出店の「やっぱりステーキ」が、今後も“独走”を続けられそうな理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
低価格ステーキチェーンの「やっぱりステーキ」が順調に店舗数を伸ばしている。他の低価格ステーキチェーンが伸びているわけではないのに、なぜ「やっぱり」は好調なのか?
ロードサイドが特に元気
やっぱりステーキはコロナ禍になって、ロードサイドの郊外店が特に元気だ。現状、店舗の3分の2がFC店だが、ロードサイドの開発は地元の事情に明るいFCオーナーに委ねられている。もちろん、最終決定は本部の義元大蔵社長が行うが、この役割分担がうまく機能している。
沖縄は車社会で、同社ではロードサイドの立地にも手馴れていた。そのため、人々が公共交通を避けて、非接触性が高い自家用車での移動にシフトしても、それに見合った店舗をつくることができる。
今年4月にオープンした石川県のアピタ松任店と、長野県のあづみの店は、それぞれ県内初出店だが、想定以上のにぎわいだという。東京でも人気のチェーンが初めて出店するとなると、地元メディアがこぞって取り上げるので、有利な面もあるだろう。
ロードサイドならば、顧客はファミリーかビジネスパーソンが中心と思いきや、女性や高齢者の来店も多いという。ファミリー層の多い店舗では、キッズメニューを提供するなど客層に合わせた配慮も見せている。
やっぱりステーキではミスジをメインにしているが、赤身でもやわらかい肉を使っている。全般に脂は控えめでさっぱりと食べられるメニューが多く、女性や高齢者でも「日常使いできる」と安心感を持つようだ。ロードサイド店なら、お店はファミレスに寄せて、4人席のテーブルを増やすなど、ゆっくりできるようにつくる。リピーターが多いのも、やっぱりステーキの強みだ。
元は同業のステーキ店や焼き肉店だった物件を、ローコストで改装したケースも多く、上手に出店を重ねている。
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