45年後、終身雇用はどうなっていると思うか 工学部の学生に聞く:起業・独立志向は26%(2/2 ページ)
テックオーシャンは、工学部の学生に終身雇用制度やキャリアプランに関する意識調査を実施した。就職や院進学、社会に出て自分がどう働いていると思っているのか聞いた。
社会に出てから自分がどのように働いていると思うか
社会に出てから45年間、どのように働いていると思うかの問いに、最も多かったのは「何度か転職をして、会社で働いている(リモート就業を含む)」と答えた学生が43.9%、次いで「ひとつの会社で働き続けている」が37.4%、「就職後、能力が身についたら独立してフリーランスをしている」が9.3%だった。起業・独立までには至らずとも、1つの会社で働き続けるのではなく、転職をすることには抵抗がない学生が多かった。
社会に出てどんな人生を送りたい?
どんな人生を送りたいか聞いたところ、「振り返ったとき後悔はあっても納得ができる人生」や、「誰かの人生を豊かにすることができる人生」という声が聞かれた。また「娯楽と仕事のバランスがとれた人生」や、「あるに越したことはないが仮に大きな成功がなくてもよいので、大きな失敗のない楽しい人生」と安定志向の強さがうかがえた。
また、自分の送りたい人生にするために重要と思われる要素は何か聞いたところ、1位は「お金」で71.9%、次いで2位は「時間」で67.2%、3位は「家族」で45.8%だった。安定した生活や仕事とプライベートの両立のために、「お金」や仕事以外の自由な「時間」が重要視されているようだ。
テックオーシャンの長井裕樹社長は、「37.4%の学生がひとつの会社で働き続けている、43.9%の学生が何度か転職をして、会社で働いている(リモート就業を含む)と答えていて、8割以上が定年まで会社で働き続けていることをイメージしているようだ。終身雇用を前提とした社会像が、これから社会に出ることになる理系学生の意識の中においても、いまだに深く浸透していることがうかがえた」とコメントした。
調査は、工学部の大学生(学部2〜4年)を対象に、アンケート方式にて調査を実施した。期間は21年6月25日〜7月16日、有効回答数は221人。
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