コンビニ弁当の価格が“三極化” セブンは「270円」を投入、ミニストップは「599円」が好調:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
500円前後がボリュームゾーンだったコンビニ弁当の価格帯が広がっている。大手は200円台や300円台のミニ弁当を相次いで発売。一方、ミニストップは599円という高額の弁当が売れている。
セブンの一膳ごはんシリーズ
セブンは、20年度下期から多様な商品の買い合わせを促進する売場改革「ビュッフェ提案」に取り組んでいる。その一環として、今年5月11日より、「一膳ごはん」シリーズを発売した。一膳ごはんとは、ごはん茶碗一膳分の約150グラムを目安にした小容量の弁当だ。
テスト販売では、今まで弁当にあまり目を向けていなかった女性の購入が増加。サラダや総菜など、さまざまな商品と一緒に購入する傾向が強かった。現状は十数種類があり、地域によってきめ細かくマーケティングされていて、販売する商品が異なっている。価格は270〜350円くらいの幅がある。
最初に全国で発売したのは「一膳ごはん 脂の乗った炙り焼きさば」と「一膳ごはん 鶏とななたまのそぼろ」の2品。
脂の乗った炙り焼きさばは、ノルウェー産の脂が乗った大ぶりのさばに限定し、炙り焼きにすることでうまみを最大限に引き出したという。あごだしで炊いたご飯との相性も良好だ。
鶏とななたまのそぼろは、甘からく味付けた鶏そぼろと、ふんわりと仕上げた玉子のそぼろを盛り付けた。後者には、親鶏に与える餌などにこだわることで実現した、味の濃さが特長のセブン専用の玉子「ななたま」を使用した。
他にも、和風カレー、たらこバターしょうゆ(もち麦)などの商品もあり、バラエティーに富んだ内容となっている。
セブンの店舗には100〜300円台で和洋中の多種多様な総菜やサラダが販売されているばかりでなく、デザート、お酒もある。そのため、一膳ごはんはそれらと組み合わせて食事を楽しむシリーズとなっている。
“おうち時間”の増加に伴い、食の充実を求める傾向が継続していて、身近なコンビニで食卓のおかずやおつまみをそろえたいという顧客のニーズに応えたとのこと。一膳ごはんシリーズの他にも小容量の「カップデリ」や「カップ寿司」などの商品もある。
同社も弁当のチルド化を進めているが、商品によってあえて常温配送に留め置くものもある。「幕の内弁当など、温めずにそのままお召し上がりになる方が多い商品は、チルドに向かない。チルドか常温かはケースバイケース」(同社・広報)とのことだ。
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