東京都、ワクチン接種者にLINEでクーポンやポイント付与 博報堂が10億円で受注:簡易的なワクチンパスポートにも
東京都が18歳〜39歳の都内在住者約360万人の新型コロナワクチン接種を促進するため、メッセージアプリ「LINE」を使ってクーポン券やポイントを付与すると発表した。受注者は博報堂で、受注額は広報・啓発費を含めて約10億円。10月末をめどに、事業を開始する。
東京都福祉保健局は10月4日、18歳〜39歳の都内在住者約360万人の新型コロナワクチン接種を促進するため、メッセージアプリ「LINE」を使ってクーポン券やポイントを付与すると発表した。受注者は博報堂で、受注額は広報・啓発費を含めて約10億円。10月末をめどに、事業を開始する。
LINE上に運転免許証などの本人確認書類と、「新型コロナワクチン接種記録書」をスマートフォンのカメラなどで撮影し、画像をアップロードすることで接種促進キャンペーンにエントリーできる。登録が完了すれば、LINE経由でポイントなどに加え、抽選で「プレミアムクーポン」が付与される。
同局によると「簡易的なワクチンパスポートとして利用でき、アプリ上で接種記録を表示できる」という。博報堂は具体的なスキームやもらえるクーポンなどについて「詳細は現在調整中」としている。
都が公表している都内の接種実績(10月3日時点)では、12歳以上の10代と20代、30代の1回目接種率はそれぞれ57.9%、59.3%、64.2%。半数以上が1回目接種を終えている一方で、他の年代と比較すると接種率が低い傾向にある。また、都が8月に公表したワクチン接種に関する意識調査では年齢が若くなるにつれて「接種しない」と答える比率が高くなる傾向にあることが判明していた。
こうしたことを受け、若年層のワクチン接種を促進するため、都は8月、事業の広報・啓発費として7.5億円、アプリ開発費として2.5億円を補正予算に計上していた。同局は「インセンティブ(動機付け)を与えることで、ワクチン接種を促進したい」としている。
都の公募には博報堂の他、JTBやジェイアール東日本企画、サイバーエージェントなど計6社が参加した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- なぜ若者はワクチン接種に消極的なのか 本当の理由と背景
やがて順番が回ってくるワクチン接種に消極的な若者が少なくない。アンケートではその理由はさまざまだが、「絶対接種したくない」という人はむしろ少数で、あいまいなものが少なくない。その本当の理由と背景をみてみると……。 - NewsDigestが「AIワクチン接種予測」機能を開始 接種の時期をAIが予測
ニュース速報アプリNewsDigestで、16歳以上の人が新型コロナワクチン接種スケジュールをAIが予測する「新型コロナワクチン接種予測」機能の提供が始まった。 - ワクチン接種した人に抽選で1億円! 米国の“動き”は日本で受け入れられるか
新型コロナのワクチン接種が順調に進む米国で、接種率を高めるために、特典を付ける動きが活発になっている。日本では批判が集まりそうな内容だが、こうした仕組みは合理的なのか。それとも……。 - 1本のワクチンも無駄にしない ワクチン余剰マッチングシステム「VAMCS」試験運用開始
医療システムソリューションなどを提供するアルカディア・システムズ(大阪市淀川区)は8月23日、協力施設の指導の下、ワクチン余剰マッチングシステム(VAMCS)を開発したと発表した。 - LINEでワクチン予約 職域接種プランが登場
ハヤレジは、LINEを活用したコロナワクチン接種予約システム「Lacoon(ラクーン)」の企業向け職域接種プランを提供開始する。社員番号や学生番号などによる接種登録のほか、部署や学部ごとに予約枠をカスタマイズできる。