セブン、沖縄で100店舗達成 ファミマとローソンの「牙城」にどう切り込む? 現地法人社長に聞く:沖縄進出2年(4/4 ページ)
コンビニ最大手の「セブン-イレブン」が“最後の空白地”だった沖縄県に初出店した2019年7月11日からおよそ2年がたった8月19日、県内100店舗目の出店を達成した。
セブン上陸3年目「地道に取り組む」
店舗数の急拡大には、前述した「沖縄にセブンが出店する」という期待感も相まって、沖縄進出前からフランチャイズ(FC)店オーナーの希望者が多く集まったことも要因にある。すでに複数店舗を展開し始めているオーナーもおり、出店に向けて会社側とオーナー側の両輪が機能しているともいえる。
また、小売業や総合建設業などを手掛ける「金秀グループ」、ガソリンスタンド事業などを展開する「りゅうせき」、旅行業の「沖縄ツーリスト」など、県内の大手企業ともFC契約を結び、沖縄に根ざした企業の協力も得ることで、目標の5年250店舗に向けた展開をスムーズに進めた。
久鍋社長は「初年度はまず、お客さんにセブンを知ってもらうことを念頭に置いて出店をしていきました。2年目については、セブンの味を知ってもらって、店舗を増やすことで(セブンの味を)お買い求めできる環境を整えてきました」とこの2年間を振り返る。
沖縄のセブンが3年目に入った今、久鍋社長は「地道に取り組むこと」の大切さを説く。
「沖縄で長らくファミリーマートさんやローソンさんがコンビニ業界を引っ張ってくれました。沖縄で『コンビニといえばセブン』と思ってもらうためにも、3年目以降は、関係者のみなさまとも一緒になって、さらにセブンの良さを知ってもらうことが、今後の経営として一番重要なことだと考えています」
「真新しさ」から「定着」へ。業界最大手・セブンの「沖縄のコンビニ」としての歴史は、まだまだ歩みを始めたばかりだ。
著者プロフィール
長濱良起(ながはま よしき)
フリーランス記者。元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、沖縄県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。同年から個人事務所「XY SUDIO」代表。記者・ライター業の傍ら、フリーのTVディレクターや音楽制作業でも活動する。1986年、沖縄県浦添市出身。
著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(東洋企画工房)がある。
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